オリンピックと感染症対策
新型コロナウイルスの終息見通しも立たないなか、刻々と迫る東京オリンピック・パラリンピック。
多くの外国人が訪日するこの夏に備えて、私たちは感染症対策をどうすれば?
大会に向けて感染症対策はどうする?
中国の武漢からはじまったといわれる新型コロナウイルスによる肺炎は、いまや世界規模で広がっています。
そんななか半年後に迫ったオリンピック・パラリンピックの大会。
海外から多くの人が日本を訪れることが予想されています。
今回の新型肺炎と同じようなことが起きるのではと心配する専門家もいるようです。
大会に向けて感染症対策はどうなっているのか、万全なのか心配になりますよね。
そんな不安に答えるように日本感染症学会と日本環境感染学会が感染拡大を防ぐためのプロジェクトを立ち上げたと新聞などで報道されました。
報道によると、この2つの学会がはじめたのは「FUSEGU2020」という感染症予防啓発プロジェクトだそうです。
訪れる外国人は3千万人超え?
大会の開かれる2020年に日本を訪れる外国人の数は、過去最多の3千万人を超えると予想されています。
日本の人口の約3割にも匹敵します。
様々な国や地域の人が大会の会場に集まり、各地を観光して回る……感染症の流入と拡大が心配されるのも無理はありません。
では私たちはどのようにして感染症から身を守ればいいのでしょう。
プロジェクトでは大会に向けて事前にワクチンの接種を呼びかけています。
受けておきたいとする予防接種は麻疹(はしか)、風疹など全8種類です。
感染症は誰にでも感染の可能性?
「大会ボランティアではないし」「観客として見るだけだから」「テレビ観戦だし」……だから感染しない、大丈夫と接種に消極的な人もいるでしょう。
でもこの冬の新型コロナウイルスのことを考えてみてください。
感染症は、いつでもどこでも誰にでも感染の可能性があります。
まさに神出鬼没です。
戦国武将・武田信玄の旗印のようです。
「風林火山」……「疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」は有名ですよね。
前出プロジェクトでは一般の人でも麻疹(推奨)、風疹(推奨)、水痘(接種が好ましい/以下同)、流行性耳下腺炎、インフルエンザの5つのワクチンは事前に接種してほしいとしています。
今回の新型コロナを教訓にして、「かからない」「うつさない」を徹底したいものです。
<参考資料>
*「感染症侵入に警戒」(東京新聞/2020.1.28)
*「大辞林」(三省堂)