女性の喫煙は男性よりもハイリスク
喫煙のリスクは、男性に比べて女性のほうが健康を害するリスクが高いといわれています。
どういうことなんでしょうか?
喫煙女性は老化が早い!?
タバコの害は広く知られていますが、男性に比べて女性のほうがさまざまな面でリスクが高いといわれているのをご存じでしょうか。
その1つが、卵巣機能に及ぼす喫煙の悪影響です。
喫煙している女性は、そうでない人と比べて女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下したり、更年期障害が早くやってくるといわれています。
また、閉経も1~2年早まるという報告もあるそうです。
つまり、タバコを吸っていると女性の若さと健康を保ってくれるエストロゲンの分泌が減って、老化が早まることが知られています。
喫煙女性は宮頸がんは、吸わない人に比べて2.3倍増える
それだけではありません。
喫煙者は、喫煙しない人に比べてさまざまながんが約1.5倍も増えるといわれていますが、女性特有のがんも例外ではないのです。
たとえば、子宮頸がんによる死亡リスクは、タバコを吸わない人に比べて喫煙者はなんと2.3倍も高くなるという報告があるそうです。
また、卵巣がんも喫煙との関連が確実とされています。
乳がんについては、はっきりと関連づけられてはいませんが、喫煙者は乳がんにかかるリスクが高まる可能性があるのではないかと注目されています。
そのほか、閉経が早まればそれだけ女性ホルモンであるエストロゲンの恩恵を受けられなくなりますから、当然喫煙者は閉経後からは骨粗しょう症になるリスクが増え、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞にも十分に気をつける必要があります。
COPDリスクも女性のほうがハイリスク
また、タバコ病といわれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、女性は男性の2倍以上も早く進行するという報告があるそうです。
COPDについては、ほかの機会にお話ししますが、肺や気管支がボロボロになってしまう病気です。女性は男性に比べて肺が小さく気道も細いことから、COPDになりやすいそうなのです。
COPDになると骨粗しょう症を発症しやすいといわれる点も気になるところです。
さらにご存じのように、喫煙は妊娠や出産、赤ちゃんに大きな害悪をもたらせます。
男性と同じようにタバコを吸っていても、女性の場合、タバコの害は男性に比べてより大きくなることを知っておきましょう。
<参考>
*ウィメンズメディカ(小学館)
*「禁煙は愛 タバコの健康被害」(日本医師会)
*「喫煙と乳がんリスク」(国立がん研究センター)
*「喫煙の健康影響について」(厚生労働省)