恋は「ふられても、あきらめない」?
春といえば何を連想しますか?
咲き誇る花々はもちろん、卒業、入学、入社、転勤など、分かれと出会いの季節でもあります。
というわけで今回は出会い関連についての話題を紹介します。
樹々が芽吹く「春」は青色?
「好きな季節は?」と問われれば「春」と答える人がいちばん多いのではないでしょうか。
虫たちが目覚め、樹々が芽吹き、花が咲き、うららかな日が訪れます。
心も浮き立ち、様々な出会いもあります。
古代中国の自然哲学といわれる五行説によれば、春を色で表すと「青」です。
「青春」という言葉はこの五行がはじまりだそうです。
さらには「青年」とは、この樹々が芽吹く若々しい時期を過ごす年代の人のことらしいです。
ちなみに青春以降の年代を色にたとえると、朱夏(赤)、白秋(白)、玄冬(黒)ということになります。
ハエの研究から分かることとは?
名古屋大学の研究チームがショウジョウバエの恋の仕組みを解明したことが新聞に紹介されていました(東京新聞/2020.1.3)。
それによると、ショウジョウバエのメスは、オスからの求愛に最初は拒否するけれども、オスの求愛が続くうちに、しだいに受け入れるようになるというのです。
オスの求愛の方法は羽を震わせる羽音でメスの関心を引き、さらに異性を惹きつけるといわれるフェロモンという物質をだすらしいです。
メスはすぐにはオスを受け入れず、はじめはこうした求愛を拒否しつつ相手のオスを見極めるそうです。
たとえればそれはパートナーとして信頼できるか、経済力はあるか、健康面に問題ないか……といったようなことでしょうか。
ときには「あきらめる」ことも?
メスの拒否行動にもめげないオスは、あきらめずに求愛を続けると、やがてメスの脳の中であることが起こるらしいのです。
最初は脳内の「楕円体」という神経は受け入れ拒否が優勢だったといいます。
ところがオスの求愛が続くことで、楕円体の内側の神経の求愛受け入れ姿勢が鮮明になり、さらに内側神経のGABAという神経伝達物質の働きかけで断固拒否を貫く外側神経の姿勢が受容に覆ってしまったということらしいです。
「ふられても、あきらめない」……人間にもいえそうですが、ものごとはそう単純にはいかないものです。
「ハエのメスにも好みがあって、オスの求愛方法が気に入らずに恋が成就しない場合もあります」ということが、研究チームの先生の話として紹介されていました。
ときにはあきらめることもかんじんかもしれません。
<参考>
*「ハエの求愛 脳の仕組み解明」(東京新聞/2020.1.3)
*「愛の獲得には、継続的な求愛が必要」(名古屋大学大学院理学研究科附属ニューロサイエンス研究センター)