家にいる時間が長いから気をつけたい ペットからうつる病気
ペットは大切な家族の一員……単なる愛
玩動物から、今は心が通じ合える「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」としてペットを飼う人が増えているようです。
家族と共に暮らすペットですが、ペットから人にうつる可能性がある感染症の存在についてはあまり知られていないようです。
ペットからうつる病気って?
細菌やウイルスなどの病原体の中には、人間と動物の間を行き来するものがあって、動物から人間に移る感染症を「動物由来感染症」と呼ぶそうです。
ペット自身が病気になって人間にうつる場合もあれば、ペットは元気だけれどもともとペットが体内に持っている病原体に人間が感染して起こる場合もあるようです。
イヌ、ネコ、小鳥からうつる代表的な病気
ペットから人間にうつる代表的な感染症には、イヌ・ネコに噛まれたりひっかかれたりして感染する「パスツレラ感染症」や「ネコひっかき病」があります。どちらの病気もイヌ・ネコ自体は無症状だといいます。
また鳥から感染する代表的な病気には「オウム病」が知られています。
名前は「オウム病」ですが、オウムだけでなくセキセイインコやジュウシマツなど、ほとんどの鳥からうつる可能性があるといいますから、小鳥を飼っている人は気をつけて。
オウム病にかかった鳥の糞に菌が排出されて、その糞を人間が吸い込んで発症したり、口移しで餌を与えたり、まれに引っかかれたりして感染するそうです。
ついついやってしまう「濃厚接触」にご用心
感染原因として多いのが、やはり濃厚接触だそうです。
ぺットを我が子同然、恋人同然に可愛がるあまり、ペットとキスしたり、口移しで餌を与えたり、箸渡しで餌を与えたりしないこと。添い寝も含めペットとの濃厚な接触を避けることが感染の予防につながると専門家は指摘します。
また、ペットの糞を始末するときも要注意です。
特に鳥類の場合には、排泄物を始末するときは風通しのよいところで行うとか、換気をしながら行うなど、病原菌を吸い込まないように心がけるのが肝心だといいます。
その他、ペットの爪はこまめに切ること、ペットに触った後は手洗いをするなど、いくつか注意事項もあるようです。
新型コロナウイルスの感染は?
ところで、今は新型コロナウイルスが
人からペットに、また反対にペットから人にうつるのか気になる人も多いことでしょう。
厚生労働省の「新型コロナウイルスについて 動物を飼育する方向けQ&A
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/doubutsu_qa__00001.html#Q1 4月15日時点)では
「これまでのところ、海外では新型コロナウイルスに感染した、ヒトからイヌ、ネコが感染したと考えられる事例が数例報告されている」とのこと。
反対にペットからヒトに感染した事例は報告されていないそうですが、動物由来感染症のためにも、ふだんから動物に触れた後は手洗いや手指の消毒をすることを勧めています。
<参考>
*「動物由来感染症を知っていますか?」(厚生労働省)
*「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」(環境省)
*「新型コロナウイルス 動物を飼育する方向けQ&A(4月15日現在)」(厚生労働省)