【New】タバコの煙は化学物質の宝庫?
新型コロナの影響は喫煙習慣にも及ぶのか?
いまでは外食が減り、家で食べる人が増加傾向だとか。
家庭内にも及びはじめたタバコ問題について考えました。
新コロナの影響で家庭内喫煙が問題に?
いまでは歩きながらタバコを吸う人に出会うことはめったにありません。
喫煙者が減ったのかというとそうでもなく、ときたま見かける街の片隅に設けられた喫煙所は、相変わらず愛煙家で賑わっています。
「改正健康増進法」が今年4月に全面施行されて、事務所や飲食店などは原則として禁煙になりました。
愛煙家にとって受難の時代到来かと思いきや、時を同じくして新型コロナの感染が世界でも日本でも拡大。
自宅で仕事をしたり、外での飲食を控える人が増え、それに伴い家食が急上昇。
そんなことで今度は、家庭での喫煙の影響が心配されるといったことも起きているようです。
がんによる死亡の3割以上はタバコが原因
そんな家庭内での喫煙を不安に思ったのか「朝日小学生新聞」(5月25日付)ではタバコの害について特集していました。
記事によるとタバコの煙に含まれる化学物質の数は約5300種類あり、そのうちの約70種類が発がん物質だそうです。
タバコががんの原因であることは科学的に明らかで、国立がん研究センターによると、がんになった人のうちタバコが原因の人は男性の30%、女性で5%だそうです。
さらにがんによって亡くなった人のうち男性34%、女性6%はタバコが原因ということです。
年間に13万人が喫煙で亡くなる?
日本では喫煙によって1年間に約13万人もの人が亡くなっているという推計もあるそうです。
また他の人のタバコの煙を吸い込むことを「受動喫煙」といいますが、それによって年間約1万5千人が亡くなるともいわれています。
タバコによるがんといえば肺がんが連想されますが、それだけにとどまりません。
鼻腔・副鼻腔がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、胃がん、すい臓がん、子宮頸がん、膀胱がんなど、ほぼ全身に及びます。
がん以外では、脳卒中、歯周病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、虚血心疾患、腹部大動脈瘤、糖尿病、早産、低出生体重などの原因になるといいます。
そばにいる人への悪影響も考えよう
タバコは吸っている本人以外にも悪い影響を及ぼします。
受動喫煙といわれるものです。
タバコの燃焼部分の煙(副流煙)や吐き出される煙には、吸う人のタバコの煙(主流煙)よりも多くの有害物質が含まれるといわれています。
肺がんや乳がん、鼻腔・副鼻腔がんの他、脳卒中、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群、子どもの喘息などの原因になるといわれています。
「自分は加熱式タバコだから大丈夫」……ということでもないようです。
世界保健機関(WHO)をはじめ国内の様々な学会や研究機関は、加熱式にも紙巻きタバコ同様の規制を求めています。
「大切な人のために」……生き方が問われるウイズコロナの時代、あらためて禁煙について考えるチャンスかもしれません。
<参考>
*「たばことがん」(国立がん研究センターがん情報サービス)
*「たばこの害を知り命を大切に」(朝日小学生新聞/2020.5.25)
*「紙巻き同様の規制が重要」(東京新聞/2020.6.18)