
癒されたい――今見直されるペットの効用
長びくコロナ禍。癒されたいと家族の一員としてペットを飼う人が増えているといいます。
愛くるしいペットの姿に、誰もが笑顔になって、私たちを幸せな気分にしてくれます。
ペットは人間を癒すのか?――今回は動物がもたらす「癒し」について考えてみました。
医療現場で導入されているアニマルセラピー
アニマルセラピーという言葉をご存じですか?
動物を使ったセラピー手法のことで、動物介在療法ともいわれるそうです。
歴史は古く、その起源は古くローマ時代までさかのぼるそうです。
私たちは動物と触れ合うと心が和むことを体験的に知っていますが、国内外の研究により、現在はさまざまな効用が科学的に実証されていて、医療や介護などさまざまな現場でアニマルセラピーが導入されているようです。
脳が心地よく感じるホルモンが分泌
では、いったいどのような効用があるのでしょうか?
よく知られているのが、動物と触れ合うことで、オキシトシンというホルモンが活発に分泌されることです。
オキシトシンは「愛情ホルモン」とか「幸せホルモン」とも呼ばれるホルモン。
そのオキシトシンが分泌されると、脳や心が癒されてストレスが緩和したり、他者への信頼が増したり、不安や恐怖が軽減するといわれています。
オキシトシンは、ハグをしたりスキンシップをしたりすることで分泌が増えるといわれていますが、動物を撫でるときにも分泌されるそうです。
動物との触れ合いは、オキシトシンの分泌以外にも、孤独感を軽減させたり心拍数や血圧を安定させるなど多くの効用があるといいます。
動物の動画や写真でも効果あり
ペットの癒し効果は気になるけれど、ペットが飼えないという人もいるかもしれません。
でもがっかりしないでください。
かわいい動物の写真や動画などをみることでも、脳が心地よさを感じてオキシトシンの分泌が増えるそうですよ。
動物の存在は、私たちからやさしい気持ちを引き出してくれそうですね。
<参考>
*「健康カプセル ゲンキの時間!」(朝日放送 2020.8.23日放送)
*「笑顔あふれるペットとの幸せな暮らし」(ペットとの共生推進協議会 一般社団法人 ペットフード協会監修)
*「なんでもホルモン」(朝日新聞出版 伊藤裕著)