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PLUS COLUMN

減塩効果が上がらないときの意外な思い込み

健康診断で血圧が高いと指摘されて、減塩をスタート。

でも、なかなかうまくいかないという人も多いようです。

減塩効果が上がらないのは、努力不足だから? 

いえいえ、意外な思い込みが原因で減塩につまずいていることもあるようです。

 

甘いものにも意外と塩分が……

 塩分の多い食品と聞いて、みなさんはどんな食品を思い浮かべますか?

漬物、干物、梅干し、麺類のスープ……。

 減塩を実践するにあたって、まずこれらの食品を控えるようにしたという人も多いのではないでしょうか?

 もちろんこれらの食品には塩分がたっぷり含まれていますが、意外な盲点となっているのがお菓子です。

それも、せんべいやスナック菓子などしょっぱいお菓子だけでなく、甘いお菓子にも意外と多く塩分が含まれているのだそうです。

とくに注意したいのが、パイや菓子パン、デニッシュ類だといいます。

日本食品標準成分表2015年(七訂)によると、たとえば、アップルパイ1切れ(100g)に含まれている塩分は0.7g。

デニッシュペストリー1個(100g)では0.9g、あんパン(100g)は0.7gなど、塩見を感じない甘いおやつにも意外と塩分が含まれているようなのです。

甘いものは塩分とは無縁と考えるのは間違いのもと。

甘いものの塩分もしっかりとチェックしたほうがよさそうです。

 

調味料の塩分も要チェック

ところで減塩を心がけていときに、もうひとつ注意したいのが調味料だそうです。

塩分を減らすために、醤油や味噌の使用量を少なめにしたり減塩タイプにかえている人も多いのではないでしょうか。

でも、それ以外の調味料は油断しがちです。

しかし、豆板醤などの辛み調味料やめんつゆなどには意外と塩分が多く含まれていたり、料理にコクやうまみを足すために使う料理酒や、みりんより安価なみりん風味調味料にも塩分が多く含まれていることもあるので要注意です。

日本人の食塩摂取量のおよそ7割は、調味料から摂取しているといわれています。

塩や醤油、味噌に限らず、調味料は控えめに。

出しのうまみを活かしたり、調味料を出し汁で割ったりして使うとおいしく減塩ができるといいます。

一度試してみてはいかがでしょうか。

 

日本人の塩分摂取量は目標よりもまだまだ多め

5年ごとに改訂される厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、1日の塩分摂取量の目標を決めています。

2015年度版では、成人男性で8.0g/日未満、成人女性では7.0g/日未満でしたが、2020年度版は男女ともにそれより0.5g減り、成人男性は7.5g、成人女性は6.5gを目標値として設定しています。

一方で成人男女の実際の1日の塩分平均摂取量は、男性で11.0g、女性で9.3g(「平成30年国民健康・栄養調査結果の概要」)ですから、塩分摂取量の目標量にはまだまだ達していないようです。

減塩に挑戦していても、意外と効果が出ていないという人は、前述のような意外な思い込みで減塩ができていないか、もう一度振り返ってみましょう。

 

 

<参考>

*「日本食品標準成分表2015年(七訂)」(文部科学省)

*「食品成分データベース」(文部科学省)

*「日本人はどんな食品から食塩をとっているのか?」(国立研究法人 医療基盤・健康・栄養研究所)

*「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)

*「平成30年国民・栄養健康調査」(厚生労働省)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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