
近視
日本人の3分1は「近視」といわれるほど、近視は日本人にとってもっとも身近な目のトラブル。でも、意外と誤った知識や思い込みをもっている人も多いようです。今回は、近視のお話しです。
網膜の手前で像が結ばれる状態が「近視」
近視や乱視、遠視など目の機能(はたらき)の異常を「屈折異常」といいます。その代表的なものが近視です。
では、そもそも近視とはどんな状態のことをいうのでしょうか。
近視のお話しをする前に、まずは目のしくみとはたらきについてお話ししましょう。
ものが見えるしくみは、よくカメラに例えられます。
目に入ってきた光は、角膜、水晶体(カメラのレンズに当たる器官)を通って、網膜(カメラのフィルムに当たる器官)上に像を結びます。
レンズの役目をする水晶体の厚さは、毛様体という筋肉のはたらきによって厚くなったり薄くなったりして変化し、ピントを合わせています。
この屈折が正常な場合は、像は正しくとらえられます。
ところが近視は、遠くから目に入ってきた光が網膜の手前で像を結んでしまう状態です。そのため、近いところはよく見えるのに、遠いところはぼんやりして見えにくくなります。

[正常な目の状態] [近視]
通常の近視は、環境因子が大きく影響
近視は、目のそれぞれの機能(角膜、水晶体、前房硝子体)のバランスの異常によって起こります。
なぜ近視になるのか、また近視はなぜ進行するのか、諸説ありますがいまだにはっきりしたことは解明されていません。
強度の近視は、遺伝が原因のことが多いのですが、通常の近視は後天的な環境が大きく関係しているといわれています。
一卵性の双子であっても近視の強さに大きな差が出たりするので、目を大切にケアするのにこしたことはないとはありません。
そのためには、近くを見るときは、ときどき遠くを見て目を休ませる、パソコンなどVDT作業は正しい姿勢で行う、採光に注意するなど、目の疲労を防止し、目をやさしくいたわってあげてください。
なお、よく「目によい食べ物」としてブルーベリーがあげられますが、医学的な根拠はありません。
目の機能性を高める栄養素としてあげられるのは、ビタミンA、ビタミンDなどです。
栄養状態が悪くなると、眼球での代謝の調節がうまくいかなくなり、視力の低下を招きます。カップラーメンやコンビニ食ばかり食べていては、ダメ。栄養バランスのとれた食事をとることも、健康な目を保つためには大事なポイントです。