歯周病は生活習慣病や認知症のリスク大
歯周病は口臭の原因になるだけでなく、さまざまな健康リスクがあることが知られています。
さらに最近の研究から、認知症と歯周病の関係があきらかになってきました。
若い世代も無関係ではない「歯周病」について考えてみました。
歯ぐきからの出血や口臭気になりませんか?
歯ぐきや歯槽骨など歯を支える組織がこわされていく病気が歯周病。
歯ぐきが赤く腫れて膿が出たり、歯ぐきから出血したり、口臭などの症状が出て、炎症が進むと歯がグラグラして、抜け落ちてしまうそうす。
歯が抜ける原因の第1位が歯周病で、日本人の45歳以上の過半数は歯周病にかかっているといわれています。
歯磨きのときに歯ぐきから出血する、歯と歯の間に食べ物が挟まる、朝起きたときに口の中がねばねばする、歯肉がときどき腫れる、口臭が気になるなどの症状がある人は要注意。
歯周病になっている可能性があるそうです。
若い人も無関係ではありません
20代、30代の人は、歯周病なんて遠い先の話と思っていませんか?
でも、歯磨きの仕方が悪い人や、喫煙者、妊婦さんは歯周病のリスクが高いといわれています。
また歯並びが悪い人、口呼吸をしている人、糖尿病の人なども歯周病のリスクが上がるそうです。
歯周病は中高年から増えてくるといわれますが、若い世代でも歯周病と無関係ではありません。
生活習慣病との深い関係
動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病、がんなど近年は生活習慣が歯周病を引き起こしたり、悪化させたりするリスクファクターであることがわかってきました。
また、歯周病がある人が骨粗鬆症になると、歯を支える歯槽骨が急激に減ってしまうともいわれています。
歯周病の原因物質が認知症を引き起こす?
さらに今、注目されているのが認知症との関係です。
歯の喪失は認知症の発症リスクになるという報告や、歯周病由来の毒素が認知症を引き起こすといった報告があるそうです。
さらに最近になって、九州大学や中国の北京理工大学などの研究チームが、認知症の原因物質が歯周病によって蓄積するメカニズムを解明したという報告があり、話題になりました。
もはや歯周病は単なる歯のトラブルではありません。
体や脳など、全身の健康を脅かす病気であることがわかってきました。
歯垢除去を意識した歯磨きを
歯周病のおもな原因は、歯垢や歯石(歯垢が石灰化して硬くなったもの)だといわれています。
セルフケアのポイントは、歯と歯ぐきの間に歯ブラシをあてて歯垢を掻き出すように歯磨きをすることだといいます。
また、いつもの歯磨きに加えて歯間ブラシやデンタルフロスなどを使うことも専門家はすすめています。
定期的な歯科健診が有効
さらに歯石は歯磨きでは取り除けないため、定期的に歯科医院を受診し歯垢や歯石を除去してもらうことも大事なポイント。
歯の定期健診をしていれば、ついつい自己流になってしまう歯磨きについても正しい方法を教えてもらうことができます。
3か月か6か月に一度、歯科の定期健診を受けて、大切な歯を守りませんか?
<参考>
*「大人虫歯と歯周病を防ぐ」(『栄養と料理』2019年6月号 女子栄養大学出版部)
*「歯、口腔の健康」(e-ヘルスネット 厚生労働省)