
片頭痛で期待される新しい予防薬
20代~40代の女性に多いといわれる片頭痛。ズキンズキンと脈打つような頭痛が特徴だといわれています。
つらい片頭痛ですが、新しい予防薬が登場したようです。
女性に多い片頭痛
片頭痛の男女比率は、約1:4と女性に圧倒的に多くみられる頭痛だそうです。
片頭痛のメカニズムは、まだはっきりと解明されていないといいます。
しかし、何らかの理由で脳の視床下部が刺激されて脳内に変化が起こると、顔の皮膚の感覚を脳に伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳の血管が急激に拡張したりして痛みが起こると考えられているそうです。
女性ホルモンの変動も関係?
脳の視床下部は、自律神経や女性ホルモンの分泌、睡眠、食欲などを司っています。
そのため、月経や妊娠、更年期、寝不足、寝すぎ、空腹、ストレス、ストレスからの解放などさまざまなものが、脳の視床下部を刺激する誘因になるといわれています。
他にも、においや大きな音、まぶしい光、人混み、天候の変化、飲酒や喫煙なども、誘因になるとされています。
新薬に期待
片頭痛は、ズキンズキンと脈打つような頭痛のほかにも強い吐き気が起こったり、体を動かすと痛みが強くなったりします。
これまでなかなか効果的な治療法がないといわれてきた片頭痛ですが、2021年4月より待望の新薬が登場しました。
片頭痛は、三叉神経から脳の血管に向けて分泌される「CGRP」という物質が関係していることがわかってきたそうです。
この春、新しく登場した「エムガルティ」(一般名:ガルカネズマブ)は、そのCGRPをブロックする薬なのだそうです。
ほかにも新薬の開発が進んでいるといいますから、今後はさらに片頭痛の予防・治療効果が期待できそうです。
我慢しないで受診を
片頭痛は、痛みが治まると元の生活に戻れることが多いために、病院を受診せず、市販の頭痛薬を飲んで我慢している人も多いといわれています。
頭痛の頻度の多い人は、頭痛外来などを受診して、つらい頭痛をコントロールしたいものですね。
<参考>
*「片頭痛に待望の予防薬」(東京新聞 2021/3/24)
*「つらい頭痛への対処違法」(『きょうの健康』NHK出版 2021/2月号)