プラスコラム
PLUS COLUMN

セロトニン活性化で、メンタルの低空飛行を吹き飛ばせ

 曇り空だった雨の日は、なんとなく気分が沈みがちということはありませんか?

今回は、元気な脳をつくる脳内ホルモンのお話です。

 

気分を安定させる「セロトニン」

 ウキウキと心が弾んだり、反対に、気持ちが沈んで低空飛行のままなかなか持ち上がらなかったり……こんな気分の浮き沈みや感情には、実は脳内ホルモンの働きが密接に関係しているといわれています。

 脳内ホルモンにはさまざまな種類がありますが、中でも気分が沈みがちなときに注目すべきなのが「セロトニン」。

セロトニンは私たちの気持ちを安定させて心を安らかにしてくれる働きがあるので、別名「幸せホルモン」とも呼ばれているそうなのです。

 また、セロトニンの分泌が盛んだと、満腹中枢が正常に働いて、過食やアルコールへの依存が自然と抑えられることも知られています。

 

ストレスや女性ホルモン、日照不足とも関係が

反対にセロトニンが不足すると、過食やイライラ、意欲低下、うつっぽくなるなどの症状が現れるといわれています。

 生理前から始まる前にはイライラしたり、無性に甘いものが食べたくなるのも、女性ホルモンの変動によって起こる、セロトニン不足が関係しているようです。

 そのはか、 トレスはセロトニンを不足させる大きな原因になるといわれています。

 また、太陽の光を浴びることで、セロトニンが活性化するといわれています。

 梅雨どきは日光を浴びる機会が減るために、心を安定させてくれるセロトニンの分泌が減少して、心がどんよりしがちなのかもしれません。

 

活性化のカギは、太陽光とリズム運動

 セロトニンを活性化させるのは、どうしたらよいのでしょう?

 セロトニン研究の第一人者である有田秀穂先生(東邦大学医学部名誉教授。セロトニンDojo代表)は、その著書の中で、太陽光を浴び、太陽に合わせた規則正しい生活を送ることと共に、一定のリズムで体を動かす“リズム運動”をすすめています。

 ウォーキングやジョギング、サイクリング、スクワットなど一定のリズムを刻む運動が効果的であり、運動の激しさは必要ない、といいます。

 

身近なことでもセロトニンがUP

 意識的にゆっくり深い呼吸を行う腹式呼吸や食べ物をゆっくり噛むだけでも一定のリズムで行えば、リズム運動となりセロトニンを活性化できるとか。

 意外と身近なことが、セロトニン対策になるようです。

このところ、うつうつしがちという人は、できることから、さっそく実践してみませんか?

 

<参考>

※『脳からストレスを消す技術』(サンマーク出版 有田秀穂著

※『心の病を治す 食事・運動・睡眠の整え方』(翔泳社 功刀浩著)

※「梅雨時期に感じる体の不調の原因や対処法を詳しく解説」(日本気象協会 tenki.jp)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。