コロナ太りにご用心! 肥満と病気の深い関係
新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で、運動不足の人が増えているようです。同時にコロナ禍で約6割の人に、体重増加がみられたという報告もあります。
そんな今、体重が増えた人にちょっと気になる研究報告がありました。
日本人に増えている大腸がん
今、日本人に増えているのが大腸がんです。2020年のがん罹患数予測のデータ(国立がん研究センターがん情報サービス)によると、男女あわせると罹患率のトップが大腸がんであり、死亡率でも第2位を占めています。
大腸がんのリスク因子
大腸がんは、生活習慣と関わりが深いことが知られています。
具体的には、肥満やアルコールのとりすぎ、運動不足、喫煙、食品では赤身肉(牛、豚、羊など)やベーコン、ハム、ソーセージなどの加工肉の摂取などが、リスク因子としてあげられています。
報道によるとリスク因子である「肥満」について、国立がん研究センターなどの研究チームが、ゲノム情報を用いた研究手法によりBMIが大きい人ほど大腸がんになるリスクが高いとする結果を発表したそうです。
BMIと大腸がんの関係
皆さんもご存知のように、BMIは体重を身長の2乗で割った数値で、肥満の度合いを表す体格指数です。
研究チームが行ったゲノム解析の結果では、BMIが1単位増えると大腸がんのリスクが7%高まる可能性が示されたそうです。
「ゲノム疫学」と呼ばれる新たな手法を使って肥満が大腸がんのリスクであることを示したのは、アジア系集団で初めてだといいます。
コロナ禍で体重を大きく増やしてしまったという人は、気になる報告ですね。
肥満は万病のもと!?
そもそも肥満の人は、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった病気を起こしやすい傾向があるといわれています。
たとえば、高血圧。肥満の人はそうでない人と比べて2~3倍高血圧になりやすいといわれています。私たちの体には、糖をたくさんとりこむときに、同時に塩分をも多く取り込でしまう仕組みがあるそうなのです。
また、血圧を上げる物質をつくっている内臓脂肪が増えると、血圧が高くなりやすいといわれています。
血圧だけでなく、肥満、ことにおなかの内臓に脂肪がたまる内蔵型肥満がすすむと、ドミノ倒しのように生活習慣病を引き起こすことも知られています。
さらに、認知症の発症との関連も指摘されていますし、肥満の人が新型コロナウイルスにかかると重症化しやすいこともわかっているそうです。
病気を招く前に肥満をストップ!
ステイホームが続くと、生活のメリハリがつきにくく、運動量が減ったり過食になったりしがちです。
でも肥満は万病のもと。肥満をストップさせて、今日から少しずつ減量に取り組んでみませんか?
<参考>
*「肥満は大腸がんリスク」(東京新聞 2021/6/23)
*『きょうの健康』(NHK出版 2021年2月号)