知っておきたい体温のお話——平熱って何度くらい?
新型コロナウイルスの影響で、病院や公共施設はもちろんホテルやお店に入る前も検温する姿がすっかりおなじみの光景になってきました。
そこで気になるのが体温のこと。
平熱って何度くらいなんでしょう? 今回はちょっと気になる体温について調べてみました。
コロナ禍で体温を測る機会が増えた
これまで体温を測る機会なんて滅多になかったという人も多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスの感染が拡大し、今は体温測定が日常化してきました。体温計も身近な存在になってきましたね。
その体温計について、健康総合企業のタニタが今年4月に全国の15歳~69歳の男女1,000人を対象に「体温計に関する意識・実態調査2021」を実施しました。
調査によると、コロナ禍によって、体温をはかる機会にどのような変化があったかという問いに対して、「非常に増えた」が35.6%、「やや増えた」が30.2%で、6割以上の人が『増えた(計)』と答えています。
年代別にみると、『増えた(計)』と回答した人の割合は、10代(74.1%)と60代(71.1%)では7割を超えました。
10代は登校前の検温を義務づけている学校が増えてきたことや、高齢者では体調管理のために体温を測る機会が増えているようです。
平熱は35℃台~37℃台と幅がある
もうひとつ、医療機器メーカー・テルモが行った「体温に関するアンケート調査」をご紹介します。こちらは10代~80代までの1400人を対象に行った調査で、「自分の平熱を知っているか」という問いに対して、自分の平熱を知っていると答えた人は、97.6%。実にほとんどの人が自分の平熱を把握していました。
平熱で多かった回答は、36.5℃(19.3%)、次いで多かったのが36.0℃(13.3%)、35℃台は16%、37℃台は0.7%でした。
平熱を知っておくことが大事
過去に行われた日本人における平均体温の調査から、成人の平熱は36〜37℃とされているそうです。
ただし体温には個人差があるといわれています。例えば、筋肉量が少なくて基礎代謝が低いと体は熱をつくれないので、結果的に体温も低下する傾向があるようです。
また、体温は朝が低くて夕方になると高くなるなど、1日の中でも変動があります。
さらに運動や食事、ストレスなどによっても体温が変化したり、女性の場合は生理の周期によっても体温が変動することが知られています。
平熱が35℃台だと、一般的な平熱より低くて気になりますが、そもそも体温は個人差が大きなものだといわれています。
平熱を他人と比べる必要はなく、大切なのは具合が悪いときに平熱より何度高いかを知っておくことだといいます。
平熱を把握するためには、たとえば起床後すぐに検温するなど、毎日決まった時間に測定することが望ましいそうです。
元気なときの自分の平熱を知って、健康管理に役立ててください。
<参考資料>
※プレスリリース「体温計に関する意識・実態調査2021」(株式会社タニタ)
※テルモ体温研究所「『平熱』に関する認識についてアンケート」(テルモ株式会社)
※「体温の不思議」(『栄養と料理』女子栄養大学出版部 2020年11月号)