「朝が苦手」は、生まれつきで決まる?
すっきり目覚めて、しっかり朝活……そんな朝が得意の朝型の人もいれば、朝は大の苦手という夜型の人も。
朝型と夜型はどこで決まるのでしょうか?
朝起きられないのは、性格のせい?
朝は苦手だけれど、午後になるにつれてしゃっきりして、夜は元気な夜型人間。
けれども「早起きは三文の徳」ということわざもあり、早起きが美徳とされている社会の中では、夜型人間は、なにかと肩身の狭い思いをすることが多いものです。
朝起きられないのは「生活が乱れているから」「だらしないから」などとレッテルを貼られてしまうのもつらいところです。
けれども、近年では朝型か夜型は体内時計の機能に関係した遺伝子の違いで決まることが、わかってきたそうです。
朝型・夜型はその人の個性!?
ちょっとむずかしい話になりますが、朝何時ごろに目覚めて夜自然に眠くなるという1日のリズムは、体内時計といわれるものが司っています。
体内時計の周期には人によってばらつきがあって、このサイクルを決めているといわれているのが、時計遺伝子。
この時計遺伝子が朝型か夜型かに関係しているといわれています。つまりは、朝型・夜型は生まれつきのものであって、やる気の有無や性格が関係しているわけではないそうなのです。その人の個性と言えるのかもしれません。
社会に出ると夜型は不利なことが多い
とはいえ、社会生活においては朝活動的になる朝型がやはり有利。
職種によっては、午後出社がOKのところもありますが、多くの場合、会社の始業時間は朝9時を設定しています。
夜型の人が朝起きられずに、遺伝子の違いを遅刻の言い訳に持ち出しても、受け入れられることはまずないでしょう。
また、睡眠の研究では、夜型の人は朝型の人と比べて日中は集中力が散漫になったり、うつになりやすいという報告もあるようです。
さらに若いうちは夜型だと体内時計が後ろにずれやすい傾向があるといわれています。体内時計をどんどん後ろにずらしてしまえば、睡眠時間が短くなって朝起きるのがますますつらくなってしまいます。
そうならないためにも、専門家は毎朝体内時計をリセットすることをすすめています。
体内時計のリセット術
体内時計は、朝起きて朝の光を浴びると、その時刻から14~16時間後の夜に自然と眠くなるリズムが整うことが知られています。
夜型の人は、夜の寝つきが良くなるように、朝日を浴びることを心がけてみてはいかがでしょうか?
朝目覚めたら寝床でグズグズせずに、思い切ってカーテンを開けて朝日を浴びてみませんか。
天気の良い日はもちろん、雨の日や曇りの日でも、体内時計のリセットに効果があるそうです。
<参考>
※「朝起きられない」(『栄養と料理』女子栄養大学出版部 2020年4月号)
※「あなたは朝型、それとも夜型? パフォーマンス向上の秘訣は自分のタイプを知ること」(眠りのレシピ 西川株式会社)