若くても油断は禁物 メタボの人は血管の老化に要注意!
血管が老化していくことをご存じですか?
しかも、生活習慣によっては実年齢が30代という若さでも、血管年齢が50代、60代という人もいるそうです。
あなたは大丈夫?
血管も老化する
ある日、白髪を見つけたり、老眼を自覚したり……40歳を過ぎるころから老化を感じることが増えてきます。
でも、見た目だけではありません。血管も老化していきます。血管年齢のスピードを速めるのは、食事や運動、喫煙など生活習慣が大きいといわれています。
でも、血管の老化とは具体的にどういう状態をいうのでしょうか?
酸素や栄養をすみずみまで運ぶ
そもそも血管には、全身の細胞に酸素や栄養を届け、老廃物を回収する役割があります。
血管は、太い動脈から枝分かれをして、全身のすみずみにまで分布しています。この全身の血管を1本のホースのようにつなげると、その長さは約10万km。なんと地球を2周半するほどの長さだといいます。
心臓からは毎分約5リットルの血液量が全身に送り出されているそうですから、実に多くの血液が体を循環することで私たちの健康が保たれているのですね。
男性は40代から、女性は閉経後に要注意
血管の働きは、血液をスムーズに循環させることにあります。血管が若いうちはしなやかで弾力性があるそうですが、老化すると、血管壁が厚くなったり、しなやかさや弾力性が失われていくといわれています。
一般的に男性は40代から、女性は閉経後から血管の機能が衰えてくるそうです。
深刻な病気を引き起こす動脈硬化
血管の老化でもっとも注意しなければならないのが、動脈硬化だといいます。動脈硬化は、血管壁が弾力を失い硬くなるうえに、血管にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなった状態です。
動脈硬化になってもとくに自覚症状はないそうなのです。そのために、気づかぬうちに進行して、ある日突然狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤といった深刻な病気を引き起こすことで知られています。
血管の老いを加速させるメタボリックシンドローム
加齢とともに血管は老化していきますが、年齢とは別に血管の老化を加速させるものがあります。それがメタボリックシンドロームだといいます。
メタボリックシンドロームは、内臓肥満に高血圧、脂質異常、高血糖などが合わさった状態ですが、高血糖も高血圧も脂質異常もいずれも血管の老化を進行させる原因であることが知られています。
つまりそもそもメタボであることが、血管を老化させるということになります。
血管年齢はライフスタイルを反映する
血管の老化は、ライフスタイルも大きく影響します。例えば喫煙は、動脈硬化の大きな危険因子だといわれています。
また働き盛りの世代は忙しく、仕事や家庭でもなにかとストレスを抱えがちですが、血圧の上昇などストレスの多い生活も血管に大きな負担をかけるそうです。
ほかにも食生活の乱れや外食、アルコール、運動不足などが続いている人も要注意。
血管年齢は健康指標だといわれています。
「忙しいから」を言いわけにしないで、ライフスタイルを見直して、健康と向き合ってみませんか?
<参考>
※「血管年齢を意識する」(公益財団法人 日本心臓財団健康ハート叢書)
※「血液と血管のふしぎ」(『栄養と料理』女子栄養大学出版部 2021年8月号 )