知っておきたいミネラルウォーターの基礎知識
新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増えて、家庭でのミネラルウォーター需要が伸びているそうです。
今回はミネラルウォーターについて考えてみました。
ミネラルウォーターは生活必需品!?
コンビニやスーパーなどの飲料水コーナーに行くと、さまざまなミネラルウォーターが並んでいます。
サントリーが行った、『「日常生活のなかのミネラルウォーター」に関する調査』(2019年)によると、「ミネラルウォーターは生活必需品かどうかという問いに、全体の約6割が「生活必需品である」「あてはまる」「やや当てはまる」と答えています。
日本のミネラルウォーターの歴史は、1970年代初頭に業務用市場で販売されたミネラルウォーターが最初だといわれていますが、今やすっかり生活の中に根付いた感がありますね。
軟水と硬水とは?
ところで、ミネラルウォーターでよく耳にするのが「硬水」「軟水」という言葉。
「水にかたさがあるの?」と思う方もいるかもしれません。水が硬水か軟水かを決めるのは水の「硬度」 だそうです。水には何種類ものミネラルが含まれていますが、「硬度」はこのうち水に含まれるカルシウムとマグネシウムの含有量を炭酸カルシウムの量に換算して表したもの。つまり、硬度が大きいものが「硬水」、硬度が小さいものは「軟水」というわけです。
採水された地質や地形によって硬水、軟水といった違いが出てくるようです。一般的に日本の水は「軟水」が多く、フランスやスイスなどヨーロッパでとれた水は「硬水」が多いといわれています。
軟水、硬水の使い分けを
飲み口を比較すると軟水は口当たりが軽く、まろやかで飲みやすいのが特徴。ご飯を炊いたり、和風のだしをとるなど、日本料理全般に適しているといいます。日本茶を入れるのにも軟水が好適で、軟水で入れたお茶は、旨味や渋味、苦味がバランスよく出て、日本茶本来の味を引き出すそうです。また、軟水は髪や肌にも優しいといわれています。
一方、ミネラル分が多い硬水は、口当たりが重いと感じたしすることがあるそうです。日本料理のような素材の風味を生かす料理には、あまり適していないといわれています。
けれども健康目的で飲むのには、硬水が適しているといわれており、ミネラルを多く摂取したいときはもちろん、便秘解消にも効果があるとされています。
ミネラルウォーターの種類
なお、ミネラルウォーターはミネラルウォーター類には、農林水産省による品質表示のガイドラインが設けられており、品名は以下の4つに分類されています。
●ナチュラルウォーター/特定の水源から採取された地下水で、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理を行っていない水。自然水ではあるがミネラル成分は少ない。
●ナチュラルミネラルウォーター/ナチュラルウォーターのうち地中でミネラルが溶け込んだ地下水。沈殿、ろ過、加熱殺菌外の処理を行っていない。
●ミネラルウォーター/ナチュラルミネラルウォーターを原水として、品質を安定させるために、ミネラル分調整やばっ気(浄水処理の一つ)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターを混合したもの。
●ボトルドウォーター/上記3つ以外で水道水や河川水、蒸留水、純水など飲用可能な水の総称。近年は、水道水の水質の良さをアピールするため、各自治体が水道水をボトルに入れて販売しているケースも多い。
こうして種類を見てみると、ペットボトルに入っている水はすべて「ミネラルウォーター」というわけではないのですね。
表示ラベルでわかること
日本ミネラルウォーター協会によると、現在流通しているミネラルウォーターは約1000銘柄にものぼるということです。
商品ラベルには水を汲んだ「採水地」や「品名(ナチュラルミネラルウォーターなど)」、含まれるミネラルの種類や量の表示があるなど、想像以上にいろいろな情報が込められています。
気になる人は商品ラベルを確認してから購入してみてはいかがでしょう。
<参考>
※『Q&A集』(一般社団法人日本ミネラルウォーター協会ホームページ)
※「清涼飲料水(ミネラルウォーター)の表示」(京都府ホームページ)
※『食の医学館』(小学館)