プラスコラム
PLUS COLUMN

脳活は更年期世代から始めよう!

更年期世代に入ったら、仕事でうっかりミスが多くなった、物忘れがひどくなった、判断力や集中力が低下したと落ち込むことはありませんか?

もしかしたら、それは更年期症状かもしれません

 

エストロゲン減少は脳にも影響を及ぼす

やたらに汗が出たり、イライラしたりするのはわかりやすい更年期症状の一つですが、実は物忘れや判断力・集中力の低下も更年期症状の一つなのだそうです。

「仕事でミスが増えて落ちこんだ」という声もよく聞きます。

更年期の不調は全身に現れるといわれていますが、実は脳にも少なからず影響を及ぼすそうです。

というのも、女性ホルモンのエストロゲンは脳神経系の成長にも影響しているため、エストロゲンの減少は、記憶力や認識力の低下に関連することがわかっているそうです。

 脳にとって大切なのが人とのコミュニケーションだといわれていますが、コロナ禍ではリモートワークが進んで、今は人との距離が遠くなりました。

こうしたコミュニケーション不足も加わって、更年期世代はよけいに脳の衰えを実感することが増えてきたのかもしれません。

 

40代、50代から脳トレを

 認知症なんて、まだまだずっと先のことなどと思っていませんか? 

でもアルツハイマー型認知症を引き起こす、アミロイドβタンパクという物質は発症の20年くらい前から脳に蓄積しはじめて、やがて発症すると考えられています。

認知症の予防は高齢者になってから始めるのではなく、40代、50代から心がけるといいといわれています。

早め早めにお肌の老化対策をとるように、脳も衰えが進む前に脳の老化対策を考えてみませんか?

 

心がけたい5つの習慣

といっても、そんなに難しいことではありません。毎日の生活のちょっとした心がけで脳の元気を保つことができるといわれています。

どんな習慣が脳トレにつながるのか、見ていきましょう。

 

◆家事で脳トレ

リモートワークで家事が増えたと嘆いていませんか? 

でも実は家事は立派な脳トレの一つ。

たとえば、メニューや段取りを考えながら行う料理、やはり何をどう使うかを考えながら行う掃除などは、脳や手指、体をよく使うので脳を活性化させるといわれています。

 

◆有酸素運動で脳を元気に

 運動することで脳の血流が増えて、脳が活性化するといわれています。

また、有酸素運動は脳の活性化に役立つBDNFという物質を増やすそうです。

コロナ禍は運動不足になりがちなので、日常生活の中で体を動かすことを意識し、ウォーキングなどの有酸素運動を行いましょう。

 

◆しっかり眠って脳の疲れをとろう

 睡眠不足は認知症のリスクを高めるといわれています。

脳は寝ている間休息して、傷ついた細胞を修復します。

睡眠時間を確保するとともに良質な睡眠をとることも心がけたいですね。

 

◆人と話す機会を多く持つ

 人と話してコミュニケーションをとることは、脳を活性化させるといわれています。

コロナ禍では人と会う機会が減ります。家族と会話したり、ビデオ会議サービスなどを使って会話する機会を増やすことを心がけましょう。

 

◆生活リズムをつくる

 生活リズムを整えることも認知症予防には大切なポイント。

朝は一定の時間に起きて朝日を浴びて生活リズムを整えましょう。

 

 いかがでしたか? 

 こうした生活習慣は脳トレだけでなく体の健康にとっても必要なこと。

「まだまだ早い」などといわずに、今から意識的に脳の老化対策にトライしてみませんか?

 

<参考>

※『更年期障害 これで安心』(小学館  堀口雅子監修)

※『心の病を治す 食事・運動・睡眠』の整え方(翔泳社 功刀浩著)

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。