
薬は水以外の飲料で飲んではいけない?
風邪のひきはじめや胃もたれなど、ちょっとした不調なら市販薬を使う人も多いのではないでしょうか。
また、今の時期なら花粉症の薬を飲んでいる人も多いかもしれませんね。
薬は頼りになる存在ですが、上手に使わないと思わぬマイナスの作用が出ることもあるようです。
薬の作用に影響を与える飲み物
突然ですが、みなさん薬を何で飲んでいますか?
薬はコップ一杯の水かぬるま湯で飲むのが基本だとされていますが、手元にあるジュースや牛乳などで飲んでしまうという人もいるのではないでしょうか?
でも、飲み物の種類によっては薬の作用などに影響を与えることがあるそうです。
例えば、公益社団法人 日本薬学会のホームページによると、花粉症や湿疹、かゆみなどに使用される抗アレルギー薬フェキソフェナジン(商品名:アレグラ等)は、グレープフルーツジュースを飲むことによって、薬の吸収量が半分程度にまで減少してしまうことが報告されているそうです。
また、グレープフルーツジュースと高血圧や狭心症の治療で使われるカルシウム拮抗薬との関係も有名です。いっしょに飲むと、グレープフルーツジュースに含まれる成分がカルシウム拮抗薬の作用を増強させ、頭痛やふらつきなどの副作用が現れるといわれています。
グレープフルーツジュースに限りません。オレンジジュースやアップルジュース等、薬をフルーツジュースと一緒に飲むと、薬の効き目を強めたり弱めたりすることがあるといわれています。
同様に牛乳やお茶、コーヒーなどにも注意が必要です。
危険な飲み合わせに要注意
風邪のひき始めは、体力回復のために風邪薬と栄養ドリンクを一緒に飲むという人もいます。
けれども風邪薬にもドリンク剤にもカフェインが含まれている場合は、その作用が強く現れることがあるといわれています。
また薬との飲み合わせで特に危険なのが、アルコールです。
アルコールは多くの薬の影響を与えるといますが、とくに抗精神病薬や睡眠薬、風邪薬、花粉症の薬などとの相互作用には注意が必要だと専門家は警鐘を鳴らします。薬が長時間体内に残り、強く効きすぎてしまい、思わぬ事故に結びつくことがあるそうです。
薬はやはり、水かぬるま湯で飲むのが正解です。
食べ物やサプリメントなども薬と相性が悪いものなどがあるそうですから、不安なときは医師や薬剤師に相談してアドバイスを受けておくと安心ですね。
<参考>
※健康豆知識「果物ジュースと薬の飲み合わせ」(公益社団法人 日本薬学会)
※「くすりの正しい飲み方」(中外製薬)
※「アルコール 薬と一緒は危険です」(公益社団法人 アルコール健康医学協会)
※「薬とアルコールの相互作用」(北海道薬剤師会)
※『セルフメディカ 予防と健康の事典』(小学館)