プラスコラム
PLUS COLUMN

体を動かして、心もハッピーに

頬に当たる風はまだ冷たいですが、日中は春の温かさを感じるようになりました。春は運動には最適な季節。そろそろ体を動かしてみませんか?

 

深刻な若い女性の運動不足

 長びくコロナ禍で運動不足を感じている人も多いのではないでしょうか?

株式会社第一生命経済研究所が行った、「第11回 ライフデザインに関する調査」によるコロナ禍の中での運動習慣をみると、感染拡大後に運動やスポーツを「やめた・中断した」人は24%、それに対して「新しく始めた」人は13%のみでした。

また、全体の約8割の人が運動不足だと感じていました。中でも特に割合が高いのは若い女性で、30代以下の女性では運動不足と感じている人が約9割にものぼりました。

若い女性の運動不足はこの調査に限らず、さまざまな研究調査で指摘されています。

運動するのは「面倒くさい」「おっくう」「時間がない」そんな声が聞こえてきそうですが、若い世代の運動不足はその後の将来的な健康問題を引き起こす可能性があると専門家は指摘します。

20代~30代から運動・スポーツに取り組むことの重要性が見直されているといわれています。

 

  • 運動と日常生活の充実感

運動というと、健康管理や体重管理、筋肉をつくるため、といったイメージがあるかもしれません。でもそれだけではありません。実は心の健康にも大きなメリットがあるようなのです。

例えばスポーツ庁が行った調査によると、スポーツをする頻度の高い人ほど、日常生活に充実感をもっている人が多いという結果がでています。

ウォーキングなどの有酸素運動では、「エンドルフィン」や「内因性カンナビノイド」という高揚・幸福感などが得られる脳内物質が分泌されるといわれており、これらの分泌により幸せな気分が得られることが知られています。

継続して運動を行うと、充足感や満足感が得られ、日常生活が充実していると感じられるのかもしれませんね。

 

イライラや意欲低下は運動不足も関与?

 また、気分にかかわるセロトニンという脳内物質は、ジョギングや自転車こぎ、ウォーキングなどのリズム運動で増えるといわれています。

 セロトニンが不足すると慢性的な疲労感や不眠、イライラ、意欲低下、また協調性の欠如などにも関与するといわれていますから、最近調子が上がらないと感じている人は、少なからず運動不足が関係しているのかもしれません。

心の健康を保つためにもぜひ積極的に体を動かしてみてはいかがでしょうか。

 

<参考>

※「第11回ライフデザインに関する調査 コロナ禍での運動習慣」(株式会社 第一生命経済研究所 Life Design Release)

※「スポーツで身体に起こる気になる6つのデータ(スポーツ庁 WEBマガジン)

※「ランナーズハイとは一体何なのか?」(GIGAZINE)

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。