20代~30代に急増している「子宮頸がん」
4月9日は「子宮の日」です。
子宮の病気はいろいろありますが、近年若い世代に増えているといわれるのが、子宮頸がんです
20代~30代に注意が必要な子宮頸がん
一般にがんは年齢を重ねるにつれて増えてくる病気です。がんの罹患率は、男女ともに50代から増加していくといわれています。
がんは高齢者がなる病気だと思われがちですが、20代~30代の若い女性に急増しているがんもあります。
それが子宮の入り口付近に発生する子宮頸がんです。
子宮頸がんは、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位を占めています。
とくに20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位を占めているといわれています。子宮頸がんは若くても注意が必要ながんなのです。
ウイルスに感染して発症するがん
がんはさまざまな要因で発症しますが、子宮頸がんの主な原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスであることがわかっています。
HPVは性交渉によって感染します。
HPVに感染しても多くの場合、免疫機能の働きで排除されるそうですが、がんを発症させるHPVが排除されずに長期にわたって感染すると、子宮頸がんが発症するといいます。
また喫煙も、HPVの持続感染を引き起こすなど、がんとタバコの因果関係もあきらかになっているようです。
がん検診が重要なわけ
HPVは非常にありふれたウイルスで、性交渉によって人から人へとうつることがわかっています。
1回でも性交渉の経験がある女性であればだれでも感染する可能性があるといわれていますから、他人ごとではすまされません。
子宮頸がんは「異形成」といわれる状態を経て、がんへと移行します。
異形成の状態では、出血などこれといった自覚症状はほとんどないそうです。自分で気づくのはむずかしい前がん状態の異形成の時点で発見するには、定期的な子宮頸がん検診が決め手になるといわれています。
20歳以上の女性なら、自治体で行っている子宮頸がんを受けることができます。
子宮頸がん検診をまだ一度も受けていない人は、勇気を出して子宮頸がん検診を受けてみませんか?
<参考>
※「子宮頸がん」(日本産科婦人科学会)
※がん情報サービス「子宮頸がんについて」(国立がん研究センター)
※「喫煙と子宮頸がんリスク」(国立がん研究センター)
※「子宮頸がんとは」(国立がん研究センター東病院)