森林浴を楽しもう!
新緑の季節がやってきました。みずみずしい緑をたたえる森林を歩くと、心も体もリフレッシュしてすがすがしい気持ちになります。
実際さまざまな研究から、森林浴が心身の健康に及ぼす効果が認められているようです。
今回は森林浴のお話です。
癒しの効果
森に足を踏み入れると、土や樹木の香り、鳥のさえずり、吹きわたるすがすがしい風、小川のせせらぎ……新鮮な空気を吸って美しい緑に触れることは癒しの効果があるといわれています。
自然の中で五感を研ぎ澄ませてゆったりと歩いていると、心が癒やされるといった感覚は、多くの人が共通してもつものではないでしょうか。
「森林浴」という言葉は、1980年代に林野庁が提唱した概念で、誰でも手軽にできる健康的な過ごし方として、今ではすっかり定着しているようです。
フィトンチッドがもたらすもの
森の中で深呼吸すると、樹木のいい香りがします。
これは「フィトンチッド」と呼ばれる樹木の幹や葉っぱなどから発散される香りです。
フィトンチッドは、樹木が傷つけられたときに樹木が放出する殺菌作用のある物質。有害な昆虫や生物から身を守るために樹木がつくりあげた物質ですが、人間に対しても、抗菌作用や免疫を高める効果、抗酸化作用やリラックス効果があることも知られています。
ほかにも自律神経を安定させたり、ストレスホルモンを減少させて怒りや緊張を和らげるなど、さまざまな効用が報告されてるそうです。
疲れているときこそ、あえて森林浴を
また、小川のせせらぎや生物たちの鳴き声、風のそよぎといった「1/fゆらぎ」といった自然界のリズムも私たちの心を癒す効果があることが知られています。
自然のもつ癒しは計りしれません。
休日はもっぱらごろ寝をしたりスマホを見たりして家に閉じこもっているという人も多いかもしれません。
けれども、疲れているとき、忙しいときこそ、あえて森林浴に出かけてみませんか?
遠くまで出かけなくても、身近な自然や公園を歩くだけでもOK。「自然の力」をもらいましょう。
<参考>
※『心の病を治す 食事・運動・睡眠の整え方』(翔泳社 功刀浩著)
※「森林の有する多面的機能」(林野庁)
※「森林セラピーとは」(八女市ホームページ)
※「フォトンチッド」のさまざまな効用(森林・林業学習館)