飲んだ酒は何時間で分解できる?
酒を飲むときにあまり意識することはないでしょうが、飲んだアルコールは分解されるのにそれなりの時間がかかります。体内にアルコールが残ったままでは仕事に支障をきたしかねません。
アルコールの量とそれが分解される所要時間について考えてみました。
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「飲みたい!」でも「酒に飲まれたくない」?
「酒は飲んでも飲まれるな」などと古来よりいわれます。
飲み過ぎて我を失う、適量を忘れないでという意味のようです。
酒を飲んでの失敗は、時にその後の人生に影響することもあります。
でもそもそも酒を飲まなければ「飲まれない」わけですから、飲まないに限るわけで、でもそんなこといっても「飲みたい!」のが酒飲みの悲しい性……。
というわけで、どうせ飲むならアルコールを翌日に持ち越さない上手な飲み方をしたいものです。
酒は適量を楽しむとよく耳にします。
どのくらいかと問われても「……?」よく分からないという人がほとんどではないでしょうか。
1日の飲酒量の適量は?
厚生労働省の「健康21」によると、1日の酒の適量は純アルコール量で約20グラムだそうです。
酒の量に換算すると、例えばビール(度数5%)だと500ml、日本酒(度数15%)の場合は1合(180ml)、チューハイ(度数7%)で350ml、焼酎(度数25度)で100ml、ワイン(12%)で200mlなどとなっています。
酒飲みには物足りない量かもしれません。
「呼び水(酒)にもならない」という嘆きも聞こえてきそうです。
実はこの適量とされる酒の量は、アルコールの分解に要する時間を考えたものでもあるように思われます。
ちなみにアルコールの度数ですが、度数5%のビールとは、100mlに純アルコールが5ml含まれているということです。
アルコールの分解は1時間4グラム?
体質や年齢などにもよるのでしょうが、人間がアルコールを分解できるのは1時間あたり約4グラムなのだそうです。
つまり厚労省が適量とするアルコール量20グラムは、5時間かけて分解される酒の量だったというわけです。
夜寝て、朝起きるといった毎日の生活リズムに合わせた酒の量と考えることもできそうです。
純アルコールの量はアルコールの比重を考慮して、以下の計算式で導き出すことができます。
酒の量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコールの比重)
例えば、アルコール度数が15%の日本酒を1合(180ml)飲んだとすると、*180(ml)×アルコール度数(15%)/100×0.8=21.6グラム
適量をややオーバーしますが想定内ということでしょうか。
飲んべえ天国ニッポン?
酒に含まれる度数が分かれば、こうした計算式を使ってアルコール量を測ったり、アルコールが分解されるまでの時間を予測することができそうです。
また、飲酒量をコントロールするには便利かもしれません。
ところで世界的に見ると、厚労省がいう日本の飲酒量の基準は高いようです。
基準飲酒量またはドリンクと呼ぶそうですが、アメリカは1ドリンクが純アルコール換算で14グラム、オーストラリアやニュージーランドは10グラム、イギリスは8グラムだそうです。
それらの国と比べると日本の1日のアルコールの適量20グラムは突出していますよね。
飲んべえに甘いニッポンといわれる所以かもしれません。
<参考>
*「アルコールの吸収と分解/飲酒量の単位・e-ヘルスネット」(厚生労働省)
*「適量ってどのくらい?」(サントリーホールディングス)