ペットボトルの飲み残しが招く事故に気をつけて!
熱中症対策の水分補給としてペットボトルが手放せない毎日。
でも高温の環境の中で、飲みかけのペットボトルを放置していると思いがけない事故につながるようです。
飲みかけペットボトルで起こる事故
突然ですが、みなさんはペットボトルをしっかり最後まで飲み切っていますか?
飲み切れずに残してしまうという人も多いのではないでしょうか。
東京都では、高温の屋内環境で清涼飲料水などの飲み残しのペットボトル飲料を長時放置した場合、容器が破裂したり開栓時にキャップが飛ぶなどの事故が発生しているとして注意を呼びかけています。
ペットボトルが破裂して、目や腕にけがをするといった事故もあるようです。
破裂の原因は、細菌の繁殖。
ペットボトル飲料は直接口をつけて飲むと、口の中のさまざまな細菌が容器の中に入り込み、時間がたつと見た目に変化がなくても細菌が繁殖することが知られています。
容器の中に入り込んだ細菌は、飲料の栄養にして増殖し炭酸ガスを発生させて、密閉したボトル内の圧力が高まって破裂事故につながるそうです。
中でも果汁飲料や牛乳成分の入ったコーヒー・紅茶飲料、乳酸飲料、スポーツドリンクなど糖分やタンパク質を多く含む飲料は、微生物がより増殖しやすい分、炭酸ガスも大量に発生して容器の内圧が急に高まるので注意が必要だといわれています。
車内の放置は危険!
炎天下、放置された車内の気温はなんと60度近くまで達するそうです。
車内にペットボトル飲料を放置していると、未開栓のものであっても容器の内圧が上昇して容器が変形する場合があるほどです。
お盆休みに、車で帰省したりレジャーに出かける人も多いはず。
飲みかけのペットボトルをうっかり車内に置き忘れて、思わぬ事故にあわないように注意をしたいものですね。
「飲みかけ」は衛生的も心配
ところで、いったん口をつけたペットボトルは、可能な限り飲み切っておくことが大切だといいます。
ペットボトル容器の破裂・爆発事故だけでなく、飲みかけのペットボトル飲料を放置しておくと、細菌がどんどん繁殖して不衛生になる可能性があるからです。
宇都宮市衛生環境試験所が行った実験では、口をつけた5種類のペットボトル飲料(ミルクコーヒー、麦茶、スポーツ飲料、果汁100%のオレンジジュース、緑茶)気温30度の環境で培養して48時間放置したところ、もっとも細菌数が多くなったのはミルクコーヒーだったそうです。
ミルクコーヒーに口をつけて飲んだ直後の菌の数は1ミリリットルあたりおよそ1000個だったのが、48時間後にはなんとおよそ3億個以上の細菌が確認されたというから驚きです。
ちなみに2位は麦茶だそうです。
糖分が入っていない麦茶が第2位というのはちょっと意外な結果に思えましたが、大麦の種子が原料となっている麦茶は炭水化物を多く含むことから、細菌が増えたと考えられるそうです。
細菌を増やさないためには、ペットボトル飲料は直接口をつけずにグラスなどに移して飲むこと。
口をつけた場合は、短時間で飲み切ってしまうこと。また、飲みかけのものは冷蔵庫に保管して、早いうちに飲み切ることが大切だと言います。
持ち運びしやすくて便利なペットボトル飲料は、夏の水分補給の必需品。だからこそ、上手に安全に付き合いたいものですね
<参考>
※「熱くなる季節、ペットボトルの飲み残しに注意!」(東京都)
※「生活の中の食品安全―ペットボトル、飲み残しに気をつけよう」(食品安全委員会)
※「口をつけたペットボトルは飲まない方がいい?」(宇都宮市衛生環境試験所)
※「暑い季節に要注意 飲みかけのペットボトルは大丈夫?」(福岡市)