
隠れ塩分に注意。意外なものに塩分が?
みそやしょう油などのよく使う調味料に塩分が含まれていることは誰でも知っています。
でも同じ調味料でも、なんでこれに? と思うようなものにも塩分が含まれていることがあります。
そんな隠れ塩分とは?
調味料も減塩志向になってきた?
食欲の秋といわれているように、秋は旬の食材がいっぱい。
今では一年中食べられる野菜や魚が多く、旬といった感覚が薄れてしまいましたが、やはり食材は旬のものが栄養価も高く、味もよいといわれています。
そんな秋の豊富な食材をさらにおいしく仕上げるために欠かせないのが調味料です。
料理の引き立て役でもある調味料には、ご存知のように、みそやしょう油、塩、酢をはじめ、たくさんの種類があります。
近年は健康のために、食生活での塩分は控えめにというのが一般的となって、調味料の世界にも減塩志向の影響が及びはじめているようです。
特定非営利活動法人「日本高血圧学会 減塩・栄養委員会」は、調味料と加工食品を対象とした減塩食品リストを作成しています。
6割の人が調味料から塩分を摂取?
日本の20歳以上の1日の食塩摂取の目標は、男性で8グラム、女性で7グラムといわれていますが、実際の摂取量は、男性で11グラム、女性で9グラムだそうです(厚生労働省「健康日本21」)。
これは世界保健機関(WHO)が推奨する5グラムの約2倍です。
では、その塩分は主に何から摂取しているのでしょうか?
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、6割以上の66%もの人が調味料から摂取しているのだそうです。
食べ物は、その半分の34%でした。
つまり1日の塩分摂取量を抑えるには、調味料からの塩分摂取を減らせば、かなりの減塩効果が望めることになります。
料理酒にも塩分が含まれている?
調味料の塩分といえば、塩は当然として、みそとしょう油が横綱級。
メーカーによって塩分量に差はありますが、みそ大さじ1(15グラム/以下同量)で2.2グラム、濃い口しょう油が2.6グラム、薄口しょう油には2.9グラムの塩分が含まれています。薄口は塩分が多いのです。
他には、ポン酢1.3グラム、マヨネーズ0.3グラム、ウスターソース1.5グラム、めんつゆ(ストレート)0.5グラムなどがあります。
1つ1つは小さい数字かもしれませんが、例えばポン酢とマヨネーズを合わせたサラダドレッシングなど、複数の調味料を合わせて使うとそれなりの大きな数字になります。
そんななか以外に知られていないのが料理酒とみりんの塩分量です。
「えっ、お酒とみりんに塩が入っているの?」
そんな疑問を持つ人も少なくないかもしれません。
「ない」と思ったら「あった」隠れ塩分
スーパーなどでよく見かける安価な料理酒やみりん(風調味料)には、じつは塩分が含まれているのです。
料理酒と日本酒、(本)みりんとみりん風調味料の違いはこの「塩」です。料理酒とみりんは「食品」、日本酒と(本)みりんは「酒類」に分類され、
酒類は酒税がかかります。2つは似ているけど「違う」ものです。
料理酒、みりん(風調味料)の原材料の表示を見ると「食塩」と書いてあって、塩分が入っているのが確認できます。
もちろん「食塩ゼロ」などと本体に表記された料理酒もあります。
もち米と焼酎を原料にした本当の「(本)みりん」は塩分を含みません。
酢には入っていないけど、すし酢には入っているなど、食塩が入っていないと思ったら「入っていた」という、いわば隠れ塩分の調味料もありますから油断はできません。
「原材料名」をしっかり確認するのが大切です。
<参考>
*「減塩食品リスト」(特定非営利活動法人日本高血圧学会 減塩・栄養委員会)
*「減塩ブームどこまで」(東京新聞/2022.10.13)
*「隠れ塩分に注意!」(東京都八王子市)
*「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(文部科学省)