お酒が弱い人の無理飲みは、食道がんの高リスク!?
全国的に新型コロナによる行動規制がないお正月を迎え、新年会や同窓会などでお酒をたっぷり飲んだ人も多いはず。
でもお酒が弱い人は、付き合いなどで無理に飲まないほうがよいと専門家は注意を促しています。
日本人はお酒に弱い人種?
アルコールをたくさん飲んでも顔色ひとつ変わらない人もいれば、少し飲んだだけで真っ赤になってしまう人も……。
そもそもお酒が強いか弱いかは生まれ持った遺伝子で決まっており、日本人の4割程度はお酒に弱い遺伝子を持っているとされています。
ちなみにお酒を飲むとすぐに顔が赤くなるのは黄色人種の特徴で、お酒に強い遺伝子を持つ白人や黒人にはあまり見られないそうです。
アルコールに関わる有害物質
お酒を飲むと顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドという有害物質が深くかかわっているといいます。
アルコールは胃や腸で吸収されたあと、肝臓へと運ばれてアセトアルデヒドに分解され、さらに無害な酢酸へと分解されて、最終的には炭酸ガスや水となって体外へ排出されます。
最初に分解されるアセトアルデヒドは、実は毒性が強い物質で、アルコールを飲むと顔が赤くなったり頭痛がするのもこのアセトアルデヒドの仕業です。
またアセトアルデヒドが体内に長時間留まっていると、悪酔いをしたり二日酔いをすることになります。
それだけではありません。
アセトアルデヒドはDNAを傷つけてがんのリスクを高めることがわかっているそうです。
お酒に弱い人は食道がんに気をつけて
一般にお酒に弱い人は、有害で発がん物質ともいわれるこのアセトアルデヒドの分解酵素が弱く、代謝しきれずに体内に蓄積されやすい人だといわれています。
世界保健機関(WHO)は、お酒を飲むことは口腔・咽頭・喉頭などのがんや食道がん、肝臓がん、大腸がん、女性の乳がんの原因になると指摘していますが、お酒に弱い人は、さらに食道がんのリスクが高いことが知られています。
そのリスクは、少量飲酒で数倍に、大量飲酒では数十倍にも跳ね上がるという報告もあります
少量でもお酒を飲むと顔が赤くなる人は、飲酒はがんの高リスクであることを頭に置いて、お酒は控えたほうがよいと専門家は言っています。
胃がん検診で受ける内視鏡検査は、食道がんの早期発見のチャンスだといわれています。専門家は積極的にがん検診などの内視鏡検査を受けることをすすめています。
<参考>
※「お酒少量で赤くなったら控えて」(東京新聞/2022.6.21)
※「アセトアルデヒド」「アルコールの吸収と分解」(厚生労働省・e-ヘルスネット)
※「お酒を飲んでも赤くならない人 何が違うの?」(JAグループ福岡)
※「あなたはお酒が強い人? 弱い人?」(国税庁)