
寒い時期に増える緊張型頭痛とは?
日本人の4人に1人は頭痛持ちともいわれるほど、頭痛は身近なトラブル。
今回は寒い時期に増えるといわれる緊張型頭痛のお話です。
慢性頭痛の中でも頻度が高い頭痛
頭痛は大きく分けると、脳には異常がなくて起きる一次性頭痛と、脳に異常があって起きる二次性頭痛があります。
一次性頭痛には片頭痛や群発性頭痛などがありますが、もっとも一般的で患者数が多いといわれているのが、首の後ろや肩周辺の筋肉が緊張して起きる緊張型頭痛です。
片頭痛はズキズキと脈打つような痛みが特徴ですが、緊張型頭痛は、肩こりや首こりからくるような、首から頭までの痛みで頭が重い感じや頭を締め付けられるような痛みが特徴だといわれています。
別名は「ストレス頭痛」
緊張型頭痛は「ストレス頭痛」ともいわれていて、精神的・身体的なストレスによって起きることが知られています。
身体的なストレスの大きな原因に、細かい作業やパソコン作業などがあります。 長時間同じ姿勢を続けていると、首や頭の筋肉が緊張して血行が悪くなります。その結果、筋肉に疲労物質がたまって頭痛が起きると考えられています。
また、冬は体が冷えて血流が悪くなりますが、北風に思わず肩をすくめる姿勢になったり、重ね着をしたり重いコートを羽織ったりすることも首こりや肩こりを悪化させて、緊張型頭痛を招くといわれています。
寒さが厳しいこの時期は、いつにも増して緊張型頭痛に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
温めて血行をよくする
片頭痛は温めると症状が悪化しますが、緊張型頭痛はその逆です。温めると楽になることが知られています。
首や肩周辺に温湿布を貼ったり、入浴などで血行をよくしてリラックスすることも効果的。
軽いスポーツや頭痛体操などで筋肉の緊張をほぐすことも痛みを和らげる効果があるといわれています。
頭痛体操は、一般社団法人日本頭痛学会のホームページで紹介されていますので、気になる人は検索して活用してください。
慢性化させないための対策
緊張型頭痛は生活改善をしないと慢性化しやすい頭痛だといわれています。
頭痛を慢性化させないためには、痛みのあるときにはしっかり休養し、睡眠をとること。
パソコン作業やスマホをみるときはこまめに休憩を入れることが必要です。
またストレスをためないことも、緊張型頭痛予防の大事なポイントになります。
忙しいときは心の余裕がなくなりがちですが、こんなときこそ体を動かしたり、意識的にゆったりとした時間を持つようにして、心身のストレス解消を心がけたいもの。
人が集中力を保てるのは90分が限度といわれています。
ストレスをためながら仕事や家事を行うよりも、あえて休憩を入れたりリラックスタイムをもつほうが結果的に作業がはかどるでしょう。
<参考>
※「頭痛について知る」(一般社団法人 日本頭痛学会)
※「医療コラム」(一般社団法人 千代田区医師会)
※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)
※『家庭医学大事典』(小学館)