
ウイルス感染症にご用心!
新型コロナがインフルエンザと同じ5類感染症に引き下げられ、様々な行動制限もなくなりました。
旅行や飲み会も増えているのではないでしょうか?
でもちょっと気になるのが、このところのウイルス性感染症の増加です。
インフルエンザの流行
インフルエンザの患者数が子どもを中心に増えているといった報道を目にします。
令和 5 年 5 月 22 日から5 月 28 日までのインフルエンザの患者報告数は、流行開始の目安となる定点当たり1.0人を超えて、1.62人となっているのです。
インフルエンザだけではありません。例年なら秋から冬にかけて流行するRSウイルスや感染性胃腸炎なども、今年は増加傾向にあるといわれています。
でもなぜ、季節外れの感染症が増えているのでしょうか。
専門家が指摘するのは免疫力の低下です。
ここ数年は手洗いやマスクなど新型コロナの感染対策をしっかりしてきたために、新型コロナウイルス以外の感染症の流行も少なくすんでいました。
でもそのために、例年流行する感染症の免疫力が低下している可能性があるといいます。
加えて、新型コロナの5類移行にともなって、行動規制が緩和されて人の動きが活発になったこと。マスクをはずすようになったことなども影響しているのではないかと指摘されています。
懸念される「はしか(麻疹)」感染の拡大
また、懸念されている感染症に、「はしか(麻疹)」があります。ご存じの方も多いかもしれませんが、はしかの患者さんと同じ新幹線に乗っていた乗客に感染が確認されたというニュースがありました。
はしかは、10~12日間の潜伏期ののち発熱やせきなどの症状で発症し、高熱や発疹などの症状が出る病気。
江戸時代、「はしかは命定めの病」といわれていました。
特効薬はありませんので、現在でも死に至ることもある病気であることに変わりありません。
しかも「麻疹(はしか)ウイルスは」は飛沫感染、接触感染だけでなく空気感染するほど強い感染力がある点も怖いところです。
はしかは、ワクチン接種が有効とされていますが、時間と共に免疫力が弱まるために、十分な免疫をつけるためには2回接種が必要だといわれています。
大人がかかると重症化しやすいといわれていますから、ワクチン接種を1回しか受けていない人は、注意が必要です。
油断せずに予防対策をしっかりと
国立感染症研究所によると、5月の時点ですでに「はしか」の感染者は2021年と2022年の1年間をすでに上回っているとのこと。
医療機関で抗体を調べて追加接種をすることが可能ですので、気になる人は医療機関相談しましょう。
なお、妊娠を希望している人やその家族は、妊娠前に予防接種を受けておくことをおすすめします。
ようやくコロナ禍前の生活が戻りつつありますが、社会経済活動が活発になれば、それだけ人の行き来も増えてきます。
日本を訪れる外国人旅行者数も増加しています。
引き続き手洗いなどの予防対策を心がけて、予防接種で防げる病気に関しては積極的に予防接種を受けておきたいものですね。
<参考>
※「インフルエンザの発生状況について」(厚生労働省)
※「強い感染力 はしか注意」(東京新聞 2023.5.30)
※ワクチン・net
※新型コロナと感染症・医療情報(NHK)