自分は健康だと思っている人は8割?
国の調査によると8割以上の人が「自分は健康だと思っている」と答えています。
その一方で、なんらかの体の不調を感じている人が3割近くいるそうです。
自分の健康に自信はありますか?
8割以上は「自分は健康」である?
厚生労働省の「国民生活調査(令和元年)」によると、自分は「健康と思っている」(6歳以上)人は、「よい (Very good) 21.1%」「まあよい(Good)18.5%」「ふつう(Fair)46.5%」をあわせて86.1%にも上っていて、ほとんどの人は「自分は健康」だと思っていることがわかります。
逆に「あまりよくない」人は10.9%、「よくない」人は1.7%でした。
「健康と思っている」割合を性別でみると、男性は87.2%、女性は85.1%で男性がわずかに上回っています。
年代別では10代(男性96.0%、女性95.%)がもっとも高く、20代(男性93.7%、女性91.7%)、30代(男性91.4%、女性89.4%)が続きますが徐々に「健康」は減少。働きざかりといわれる40〜50代以降は「あまりよくない」「よくない」が男女ともに1割をさらに超えるようになります。
「健康」だけど、「不調」がある?
ほとんどの人が「自分は健康」と答えているのですが、では病気などの自覚症状がまったくないのかといえば、そうではないようです。
厚労省の同調査によれば、病気やけがなどの症状を自覚している人は、千人当たり302.5だそうです(この割合を「有訴者率」というらしいです)。男性が270.8、女性は332.1で、女性が高いようです。
世代別で有訴者率がもっとも低いのは、当然ながら10代で157.1です。
以下、20代は194.6、30代は249.3、40代は268.4と、年齢が高くなるに連れて有訴者率も少しずつ上昇していきます。
ちなみにもっとも高いのは80歳以上で511.0でした。
男性は腰痛、女性は肩こりがトップ
どんな自覚症状があるのか?
上位5つを見てみると、男性のトップは「腰痛」、次いで「肩こり」、「鼻づまり・鼻汁が出る」、「せきやたんが出る」、「手足の関節が痛む」の順でした。
女性の症状でもっとも多いのは「肩こり」、次いで「腰痛」、「手足の関節が痛む」、「体がだるい」、「頭痛」でした。
さらになんらかの病気で通院している人の割合は全体で404.0(通院者率/千人当たり/以下同)。男性が388.1、女性が418.8でした。
男性の通院で多いのは高血圧症、次いで糖尿病、歯の病気。
女性は高血圧症、脂質異常症、眼の病気でした。
悩みやストレスは30代から50代が高率?
職場や家庭などで様々なストレスや悩みを抱えている人も少なくないでしょう。
調査によれば全体では47.9%の人がそれらを訴えていますが、男性よりも女性の割合が各年代層で高く、特に30代と40代女性が共に60.4%でもっとも高い数値を示しています。
20代女性でも53.0%、50代女性で59.0%とどちらも高い割合です。
これらの世代でストレスや悩みの原因としているのは「自分の仕事」「収入、家計、借金等」「家族以外との人間関係」「育児」「子どもの教育」でした。
これといった病気はなく、健康といえばいえる。けれども、何も自覚症状がないわけではなく、肩こりや腰痛など体の不調とうまく付き合いながら生活しているというのが多くの人の正直なところなのかもしれません。
<参考>
*「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」「令和3年国民生活基礎調査(令和元年)の結果から グラフでみる世帯の状況」(厚生労働省)