低体温の人が増えている?
健康なときの体温が36~37度の範囲を平熱と呼ぶことが多いようですが、最近、36度以下の低体温の人が増えているようです。
低体温になると体に様々な影響が現れるといいます。
あなたの平熱は何度ですか?
「深部体温」って、どんな体温?
体温には、「深部体温」といわれる脳や内臓など体の内部の温度と、体の表面の温度の「皮膚温」があります。
深部体温は臓器の働きを守るために外部の環境の影響を受けにくく、皮膚温よりも0.5~1度ほど高く、37度前後に保たれているといいます。
冬の寒さの中においては筋肉を刺激して熱を作り出し、夏の暑いときは、発汗による気化熱によって体温を下げようとします。
このように深部体温はどんなときであっても外の環境からの影響を受けることなく、体温を一定に保っています。
そんな生き物を恒温動物とか定温動物などと呼びますが、人間以外にも恒温動物と呼ばれる生き物がいます。
ネコやイヌ、ネズミなどの哺乳類のほか、鳥類などです。
ただ、冬眠する動物の中には外気温の影響を受けやすい動物もいるようです。
平熱とは
平熱というのは、一言でいえば健康な状態で安静にして測ったときの体温のことをさします。
個人差はありますが、だいたい36~37度の範囲内というのが一般的のようです。
ところが最近は低体温の人が増えているそうです。
低体温の人が増えている?
低体温の明確な定義は特にないようですが、深部体温が35度以下の場合を低体温とすることが多いようです。
体の表面の皮膚温でいえば、平熱が36度以下、もしくは35.5度以下ということになります。
日本人の平均体温が約70年前は36.89度だったそうですが、いまでは36.2度という報告もあるようです。
この70年間で体温が0.7度も下がり、全体的に低体温の傾向にあると考えていいのかもしれません。
低体温の理由としては、極端なダイエットや運動不足による筋肉量の低下、過度なストレス、冷暖房の普及による体温調節機能の低下などが影響しているようです。
体温が下がると免疫力が低下する
低体温になると何が問題なのかというと、1つには血流が悪くなり、免疫力が低下するといわれています。
免疫力が下がるとウイルスや細菌に感染しやすくなり、かぜなどの感染症にかかりやすくなったり、病気の回復にも遅れが出たりするようです。
また、体温を維持するための熱は、その6割が基礎代謝によって生み出されているといわれています。
つまり体温が低下すると基礎代謝が下がり、それによって脂肪が燃えにくくなり、太りやすくなるということになります。
その他、消化不良や食欲不振、自律神経の乱れによる頭痛や疲労感など、体や心への影響もみられるといいます。思考力や集中力の低下なども招くといわれます。
体温を上げるには筋トレが最適?
低体温を改善するには運動や食事などを見直し、基礎代謝を上げ、体温を上げることが重要ということです。
例えばウォーキングやスクワットなどは、筋肉の代謝が上がり体温も上昇するので効果的といわれます。体温の低い早朝が効果的だそうです。
食事は朝昼晩の三食をきちんと食べるのはもちろんですが、体を温める働きがあるとされるたんぱく質や発酵食品、根菜類を積極的に摂ることが良いそうです。
お風呂に入るのも効果的だそうです。シャワーだけですませず、お湯にゆったりとつかり、体の芯から温まるのが良いといわれます。
低体温と冷え性の違い
ところで低体温と冷え性はどう違うのでしょうか。
体温は深部体温が低い、つまり体全体の温度が低い状態ですが、冷え性は深部体温は下がっておらず、手足など部分的に冷えを感じる状態だそうです。
足が冷えるのは、体内の熱を逃がさないようにするための反応なのだそうです。
とはいえ似た者同士。同じ症状に悩まされることも多いのだそうです。
<参考>
*「体温の維持」「体温について」(厚生労働省)
*「熱中症ゼロへ〜深部体温と熱中症」(一般財団法人日本気象協会)
*「体温を上げて免疫力アップ」(沢井製薬株式会社)
*「体温の平均は?」(シチズン・システムズ株式会社)
*「『変温動物』と『恒温動物』の違いを解説」(フマキラー株式会社)