のどの老化は、40代から始まっている!?
食事のときにむせたりせき込んだりすることが多くなったり、大きな錠剤がのみにくくなったと感じたことはありませんか?
もしかしたらそれは、のどの老化が原因かもしれません。
のどの老化は40代から注意
「のどの老化なんて、お年寄りの話」などと思っていませんか?
でも、のどの老化は実は40代頃から始まるといわれています。まだまだ若いのに、と悲しくなってしまいますね。
でも、このままどんどん「のどの老化」を進行させてしまう前に、早めの対策が大事です。
食事中にむせることが増えていない?
でも、そもそも「のどの老化」ってどういうもの? と気になる人も多いのではないでしょうか。
私たちは食べ物を口の中でつぶしてゴクンと飲み込んで胃に送っています。この一連の動作を嚥下機能と呼びます。
食べたり飲んだりするとき、私たちがとくに意識せずに行っている「嚥下」。この飲食物をゴックンと飲み込む「嚥下」がスムーズに行われるためには、さまざまな器官と筋肉、神経などの連携した働きが必要です。
ところが加齢に伴って、嚥下機能が低下したり、嚥下運動に関わる筋力が衰えてきたり、また唾液の分泌量が減少してきたりすると、「嚥下」がうまく行われなくなって食べ物が飲み込みにくくなったり、むせたりすることが多くなるといいます。
のどは少しずつ老化していくので、気づかない人が多いそうです。
のどの老化を要チェック
では、自分ののどが老化しているかどうかは、どうすればわかるのでしょうか。
ひとつの目安として「ごっくんテスト」というものがあるそうです。
テストの方法はとても簡単です。
水を一口飲んでのどを潤し、30秒間で唾を何回飲み込めるかをテストします。飲み込んだことが分かるように、のどに指を軽くあてて「ごっくん」を確認するとよいそうです。
飲み込む回数が多いほど、のど年齢が若いということになります。
簡単なように思えますが、年齢が上がるにつれて「ごっくん」の回数を増やせなくなるそうです。
テレビなどでもおなじみの池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生が、各年代の患者さん50人ずつにごっくんテストをしてもらったところ、平均回数は20代9.8回、30代8.8回、40代7.8回、50代で7.0回、60代6.1回、70代5.2回という結果が出たそうです。
あなたは何回できましたか?
早めの老化対策を!
いつまでも若々しく健康でいるためには、嚥下機能に限らず早めの対策が大事です。
のどや口のトレーニングは「のど トレーニング」と言った言葉で検索すると、いろいろな体操が紹介されてますので、参考にしてください。
手軽に実践できるものとしては、歯磨きのときなどに行う「ぶくぶくうがい」があります。
しっかり口を閉じて頬を膨らませて行うぶくぶくうがいは、頬やあごの筋肉を動かし、水を飲みこまないようにのどに力を入れるので、嚥下機能の強化に効果的だといわれています。
毎日の歯磨きのときに、実践してみてください。
ほかにも楽しくおしゃべりをしたり、歌をうたうことも舌や口まわりの筋肉の衰えを防ぐため役立つそうです。
また食事中にむせる人は、嚥下機能の問題だけでなく姿勢の問題もあるといわれています。
スマホを見ながら食事をすると、頭を前に突き出した前かがみのむせやすい姿勢になるそうです。
食事をするときにはあごを適度にひいて上体を起こし、背筋を伸ばすことを心がけましょう。
<参考>
※「暮らしの診察室Q&A むせ・誤嚥」(暮らすめいと 2023年6月号 東京新聞)
※「あなたの『のど年齢』知ってる? 老化は肺炎を招く」(NIKKEI STYLE 健康医療 日本経済新聞社 2020.6.25)
※「お口の働きを高める体操」(大阪歯科医師会)