肥満予防の大きな味方「短鎖脂肪酸」ってどんなもの?
免疫や病気、肥満、老化などにも関係しているといわれる腸内環境。
なかでも最近話題になっているのが「短鎖脂肪酸」です。
どんなものなのでしょうか。
太りにくい体をつくる
私たちの腸内にはおよそ100兆個もの腸内細菌が生息しています。
短鎖脂肪酸とは、ビフィズス菌などの腸内細菌がオリゴ糖や食物繊維などを餌として取り込み分解してつくりだされる物質のひとつ。
腸内細菌からつくられる短鎖脂肪酸には、悪玉菌を抑えたり腸の炎症を抑えるなどさまざまな健康効果がありますが、なかでも注目されている効果が太りにくい体をつくってくれること。
短鎖脂肪酸は、脂肪組織に栄養が取り込まれるのを防ぎ、脂肪の蓄積を抑えることで、体脂肪がたまるのを抑制する効果があるといいます。
さらに、全身の代謝を活性化して余ったエネルギーを消費しやすくする働きがあるそうです。
つまり腸内細菌に短鎖脂肪酸を多くつくらせると、それだけやせやすく太りにくい体が手に入るということのようです。
事実、肥満の人はそうでない人に比べて短鎖脂肪酸をつくる腸内細菌が少ないそうなのです。
水溶性の繊維とオリゴ糖を積極的に
では、短鎖脂肪酸を増やすためにはどうしたらよいのでしょうか?
ひとつは短鎖脂肪酸をつくりだすための有益な腸内細菌をおなかの中で増やして、短鎖脂肪酸がたくさんつくられる腸内環境を整えておくこと。
もうひとつは、腸内細菌の餌となる食物繊維やオリゴ糖を積極的にとることだといわれています。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類がありますが、なかでも根菜類や豆類、キノコ類、海藻類、バナナやリンゴなどの果物に多く含まれる水溶性食物繊維は短鎖脂肪酸を生み出しやすいことが知られています。
大事なのは毎日継続してとること
ビフィズス菌などの有用菌やその餌となる水溶性食物繊維は、一度にたくさんの量をとるよりも継続して毎日食べ続ける事が大事だといわれています。
これらのことを意識しながら、いろいろな食材をバランスよく食べることが腸内環境を整える近道になります。
反対に食生活を含めた生活習慣の乱れ、ストレスなどは、腸内の悪玉菌を増やしてしまうといわれているので要注意。
腸内環境を健やかに整えて、太りにくい体を目指したいものですね。
<参考>
※「肥満予防に短鎖脂肪酸」(東京新聞/2023.7.25)
※「肥満の原因とは? 肥満の人は『ある腸内細菌』が少ない」(NHK健康チャンネル)
※腸活ナビ(ビオフェルミン製薬株式会社)
※健康道場(サンスター株式会社)