女性もご用心! 痛風予備軍の「高尿酸血症」になっていませんか?
痛風と深い関係がある尿酸ですが、血液中の尿酸の濃度を示すものが尿酸値です。尿酸値が7.0mg/dLを超える状態になると「高尿酸血症」と呼ばれるようになります。あなたは大丈夫ですか?
高尿酸値血症を放置してはダメ
健康診断などで「尿酸値が高い」といわれたことはありませんか?
血清尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症になっても自覚症状がほとんどないそうです。そのため、健診結果で尿酸値が高いことを指摘されても放置している人が少なくありません。
けれどもほうっておくと、溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに付着して「痛風」を引き起こします。また、尿酸が結晶化して石をつくり尿管に詰まる「尿路結石」などができやすくなることが知られています。
痛風や尿路結石、生活習慣病も
痛風も尿路結石も激烈な痛みを引き起こすことで知られる病気。つらい思いをすることになります。
また、高尿酸血症や痛風がある人はメタボリックシンドロームに陥りやすく、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病などを合併しやすいことがわかってきたそうです。
たかが「尿酸値が高いだけ」とあなどらず、しっかり向き合うことが大切です。
つらい痛風発作
ところで、痛風は「風が当たっただけでも痛い」といわれる病気です。
「痛風発作」といってある日突然、腫れと激痛に襲われます。
痛風発作が起こる場所は、足の親指のつけ根が多いようですが、それ以外にも足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも激痛発作が起こることがあるそうです。
痛風は圧倒的に男性に多く見られる病気で知られています。痛風患者が女性に少ないのは、女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の排出を促す働きがあるからだそうです。
女性もご用心!
ところが、近年は女性の患者さんが微増傾向にあるといわれています。
その背景にあるのが、過食や運動不足。とくに気をつけたいのが更年期~閉経後です。
女性の体を守ってくれている女性ホルモンの分泌が減るために、痛風をはじめ生活習慣病にかかる人が増えることが知られています。
高尿酸血症・痛風の原因
尿酸値が高くなる原因はどこにあるのでしょうか。尿酸値を上げやすい要因に(1)肥満、(2)アルコールの摂取、(3)運動不足、(4)ストレスなどがあります。
なかでも密接な関係にあるのが食事だそうです。多くの場合、肥満を解消すると尿酸値が下がってくるといわれていますから、カロリー摂取を抑えてバランスのよい食事をとること。
またプリン体を多量にとると尿酸値が上がってくるので、プリン体を多く含む レバー類や白子などの魚卵類、エビ、イワシ、カツオなどの一部の魚介類は控えめに。
逆に野菜や海藻、牛乳などのアルカリ食品を積極的に摂ることが勧められています。
プリン体はビールに多く含まれていますが、ビールに限らずアルコールは尿酸値を上げる原因になるといわれています。アルコールはなるべく控えましょう。こまめな水分補給も大切です。
そのほか、ストレスをためない、運動不足を解消することもポイントになります。
健康診断で尿酸値が高いと指摘されたら、かかりつけの医師に相談するとともに生活習慣を見直して尿酸値を下げる対策をたてましょう。
<参考>
※冊子『尿酸値を気にしていますか』(帝人ファーマ株式会社 帝人ヘルスケア株式会社 発行)
※「痛風ってどんな病気?」(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
※「高尿酸血症」(e-ヘルスネット 厚生労働省)