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気をつけて! 冬のドライアイ

ドライアイは1年中起こりますが、これからの季節はとくにドライアイになりやすく、症状が強くなるといわれています。なぜなのでしょう?

 

現代人にとって宿命的なトラブル!?

ドライアイは目の表面を覆っている涙の量や質に変化が起きて、目が渇く、痛い、かゆい、目が赤くなるなどの不快な症状が出てくるトラブル。

日本では約2千万人がドライアイに悩んでいるともいわれています。

パソコンやスマートフォンなど、何かと目を酷使することの多い現代では、オフィスの乾燥やコンタクトレンズによる目の負担、睡眠不足なども手伝ってドライアイの人が増えているといわれています。

 

冬はドライアイの季節

 ドライアイがとくに増えるとされているのがこれからの季節。

冬は湿度が下がり空気が乾燥します。暖房を使う室内はさらに湿度が下がって、肌の乾燥が進むように目の潤いも不足しがちです。

 パソコンやスマートフォンの画面を長時間見ていると、まばたきの回数が減って涙が十分に分泌されませんが、部屋の空気が乾燥しているとさらに涙の蒸発が進んでドライアイになりやすいといわれています。

 とくに更年期世代は要注意。

女性ホルモンのエストロゲン分泌が低下することにより目の潤いも減ってくるそうです。

加齢により目の粘膜が弱まることも関係して、更年期はドライアイの人が増えてくるようです。

 

ドライアイの予防対策

 一度ドライアイになってしまうと、残念ながら完治しないといわれています。 ドライアイにならないためにも、またすでにドライアイの人はこれ以上症状をひどくしないためにも以下のセルフケアで予防・対策をたてましょう。

(1)室内の乾燥対策

 乾燥している季節は加湿器を使って部屋の湿度をあげましょう。

室内にいるときや車の運転をしているときには、エアコンの風が直接顔に当たらないように気をつけて。

目の潤いのために、ゆっくりお風呂に入るのもおすすめです。

(2)意識的にまばたきを

 パソコンやスマホの画面を見ているときには、まばたきが減って目が乾きます。意識的にまばたきをしましょう。

また1時間に1回は、10分~15分目を休める時間をつくりましょう。

(3)パソコンやスマホ画面の位置に注意

 画面を見るときに、視線が上向きになると目を大きく見開くために目が乾きやすくなるといわれています。

少し見下ろす程度の位置に調整しましょう。

(4)まつ毛ケアをしっかりと

 上下のまぶたのまつ毛の生え際からやや内側には、マイボーム腺という器官があります。

このマイボーム腺では油を分泌して、涙が蒸発するのを防いでいます。

 ところが、加齢やストレス、アイメークの落とし残しなどがあるとマイボーム腺が詰まって、ドライアイにつながりやすいといわれています。

 まつ毛や目元に皮脂が溜まっていると、まつ毛ダニという顔ダニが繁殖してマイボーム腺を詰まらせることがあるので、ご用心。

アイメイクをしているときは専用のリムーバーなどを使ってきちんと落としましょう。またアイメイクをしていないときもマッサージするようにやさしく洗って、清潔を保ちましょう。

 

<参考>

※「コロナ禍で急増中! ドライアイ」

※『更年期障害 これで安心』(小学館 堀口雅子監修)

※「第33回プラスウェルネスセミナーレポート 眼科専門医から見た産業医・健康経営との連携のあり方」(ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社)

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。