プラスコラム
PLUS COLUMN

夏の紫外線――反射光・散乱光にご用心

気象庁は、今年も全国的に猛暑が続く可能性があると発表。 

今夏も紫外線対策がますます重要になってきます。 

日傘だけでは防ぎきれない紫外線があることをご存じでしょうか。 

 

紫外線は直射日光だけではない 

紫外線というと、直接浴びる太陽光をイメージする人が多いかもしれません。 

でも実はそれだけではありません。 

反射光や散乱光も同時に浴びていて、しかも私たちが浴びる紫外線量の約6割を反射光と散乱光が占めているというのです。 

反射光と散乱光とはどんなものなのでしょうか? 

 

足元から浴びる反射光 

紫外線は上から降り注ぐだけでなく太陽光が地面にあたって反射します。 

夏場の日差しが強い日にアスファルトから強い照り返しを感じることはありませんか? 

これが反射光で、私たちは足元からも紫外線を浴びていることになります。 

気象庁によると、地表面での紫外線の反射の割合は、地表面の状態により大きく異なり、草地やアスファルトの反射率は10%もしくはそれ以下ですが、砂浜では25%、新雪では80%にも達するといいます。 

  

日陰に避難しても…… 

私たちが浴びる紫外線にはもう1つ、散乱光があります。 

散乱光とは大気中のエアロゾル粒子などによって散乱されて届く紫外線。 

散乱光には人体に有害といわれているUV-B占める割合が高くなっているといわれています。 

日陰に行くと紫外線から守られているような気になりますが、反射光も散乱光も届いているのです。 

私たちは空から降りそそぐ強い太陽光だけに気をとられがちですが、思っている以上に紫外線を浴びていることになります。 

 

日焼け止めでしっかりガードを 

日差しの強いときには、日傘や帽子が必須ですが、直接太陽光があたらない場所でもたくさんの紫外線が届いていますから、日焼け止めはしっかりと。 

また、足元から浴びる反射光のことを考えると、あごにも忘れずに日焼け止めを塗りましょう。 

とくに反射光が強くなる海辺や水辺に行くときには、UVカット効果の高いものを選んでください。 

最近は男性も日傘を使うようになりましたが、日傘だけでは反射光も散乱光も防げないといわれています。 外出するときには日焼け止めも忘れずに塗っておきたいものですね。メンズ用の日焼け止めも出ているので、自分にあったものを探してください。 

 

<参考> 

「紫外線の性質」(気象庁) 

『紫外線環境保健マニュアル2020』(環境省) 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。