
集中力の低下は水分不足が原因では?
やる気が出ない、集中できない、めんどうくさい……そう感じるときありませんか?
もしかして体が水分を求めているのかもしれません。
「水の惑星」における水との付き合い方について、あらためて考えてみました。
水分量が20%失われると死に至る?
わたしたちが生きていくうえで何よりも大切なのが水です。
人間はたとえ食べなくても水(と睡眠)さえ確保できれば2~3週間、場合によって1か月は生きられるといわれます。
ところが水がまったく飲めなければ、命はわずか2~3日といわれます。
よく耳にする「脱水」は体から水分が失われてしまう状態のことです。
体重のわずか2~3%の水分が失われただけで、口やのどの渇き、体のだるさ、食欲不振などを招くといいます。
5~6%で頭痛、眠気、ふらつき、脱力感などの熱中症の症状があらわれ、10%になると筋肉のけいれん、腎不全などを発症、20%の水分が失われると死に至るといわれます。
体重の6割以上が水分?
わたしたちの体はほとんど水でできています。
たとえば胎児は体重の約90%、生まれたばかりの赤ちゃんや子どもは約70~75%、成人は約60~65%が水分といわれます。 男性に比べて女性は体の水分含有率は低いようです。脂肪が多いからといわれています。脳や腎臓、肝臓などは水分含有率が高く、約80%が水分だそうです。
体内の水分には生命を維持するための大切な役割があります。
たとえば血液として栄養や酸素を全身に運ぶと同時に、老廃物を回収して尿として排泄します。
また、体内環境を整えて新陳代謝を正常にするほか、汗をかいて体温調節することも水の大切な役割といわれています。
食事を抜くと水分不足になる?
1日に体から排出される水分は、目安ですが大人でおよそ2.5ℓといわれます。内訳は、尿や便として約1.6ℓ、汗などとして皮膚からでる水分と呼吸で排出される水分が約0.9ℓあるそうです。
水分不足による脱水などの健康リスクを回避するためには、1日に失われる2.5ℓの水分は最低限、補給する必要があります。
よくいわれるのは食事からが約1.0ℓ、代謝水(栄養が体内で燃焼されるときにできる水)が0.3ℓ、そして飲料水で1.2ℓ摂取するというもの。 つまり直接的にせよ間接的にせよ1日に必要な水分の半分以上は食事から補給していることになります。
朝食を抜くなどの欠食は、栄養不足はもちろんのこと水分不足におちいりかねないということです。
水分不足と疲れの負のループ?
「やる気が出ない」「ボーッとして集中できない」……そんなときは水分が十分に摂取できていない可能性があるようです。
体内の水分が不足すると血液がドロドロになり血流も悪くなります。
細胞への水分供給も低下して細胞の「脱水」を招き、疲れやだるさ、頭痛や意欲の低下、集中力の欠如といった不調の原因になるといわれます。
さらに消化器の働きも低下して食欲不振におちいり、食事からの水分の補給ができなくなると、さらなる水分不足を引き起こし、また栄養不足も加わって、疲れや意欲の低下などにつながっていくというのです。
水を飲むと頭の回転がアップ?
「のどが渇いたと感じた時点で脱水は始まっている」とよくいわれます。
のどが渇く前に水分補給をすることが大事なのですが、水分といってもいろいろあります。
なかにはコーヒーやお茶、コーラやジュース類、ビールで「水分補給」しようとする人もいるようです。 カフェインやアルコールには利尿作用があって、飲んだ水の量以上に排泄されてしまうといわれます。
また、糖類を含む飲料水は、糖の過剰摂取につながるといわれます。水分補給には向いていないようです。
ところで最近の研究によると、水分補給によって学習能力や運動能力が向上することが分かったといいます。
とくに約80%が水分といわれる脳は、適度な水分補給で活性化され、集中力や注意力、記憶力などが向上するといわれています。
仕事のパフォーマンスを上げたいときの秘策は「水」にあり……?
<参考>
*「『健康のため水を飲もう』推進運動」(国土交通省)
*「水と健康」(千葉県栄養士会)
*「水大事典」(サントリーホールディングス株式会社)
*「水分不足(脱水)が疲れの原因?」(大正製薬株式会社)