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亜鉛不足になっていない?

食べ物の味がわからない、疲れやすい、抜け毛が気になる……最近そんな不調に悩まされていませんか?  

しかしたらそれは亜鉛が不足しているのかもしれません。 

 

細胞代謝に関わる重要な栄養素 

 そもそも「亜鉛って何?」という人も多いことでしょう。 

亜鉛はビタミンやカルシウムから比べるとマイナーな栄養素なのかもしれません。 

けれども私たちの身体にとって実はとても大事な栄養素。 

鉄などの微量ミネラルの1つで、自分の体では合成できないため、食事など外から摂取する必要があります。 

 亜鉛は、成長や発育、切り傷の治癒、免疫反応の調整、皮膚の代謝や脳における神経伝達などに関与する栄養素だといわれています。 

また、味覚に関わる細胞をつくる働きもあるので、食事をおいしく食べるには亜鉛が重要な働きをしています。 

 

亜鉛不足で起こるさまざまなトラブル 

 その亜鉛が不足すると、皮膚炎や脱毛症、味がわからないといった味覚障害、貧血、口内炎、傷の治りが遅い、感染しやすいなどさまざまな困った症状がでてきます。 

また、亜鉛が不足すると男性機能が低下する可能性があるといわれています。 

 ところが、日本人の3人の1人が亜鉛不足という研究報告があるなど、亜鉛が不足気味の人が多いといわれています。 

 

食生活を見直そう 

 亜鉛が不足する原因には薬剤などの影響もあるようですが、やはり食事から亜鉛を摂取する量が不足していることが多いようです。 

 亜鉛は、牡蠣、シジミなどの貝類や牛肉、豚肉のレバーなど動物性食品に多く含まれているといわれています。 

また、卵や納豆、油あげやカシューナッツなどの種実類にも亜鉛は含まれます。 

 おにぎりやパンなどの炭水化物ばかりで食事をすませていたり極端なダイエットをしていると、亜鉛の摂取量が不足してしまうのでご用心。 

 また、亜鉛はストレスが多い状況では思うように吸収できなかったり、亜鉛が大量に消費されてしまうともいわれています。 

それ以外にもインスタント食品の食べ過ぎなどでも亜鉛不足を招くそうです。 

 気になる人は、まず食生活を見直してみましょう。 

それでも味覚障害や皮膚炎が直らないなど不調が続く場合には、病気が隠れている場合もあるので、一度は医療機関を受診することをおすすめします。 

 

 

 

<参考> 

※『ウィメンズメディカ』(小学館) 

※「3人に1人が亜鉛欠乏症」(東京新聞 2024/8/15) 

※「亜鉛不足と味覚障害」(奈良県医師会) 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。