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体が硬い人は血管も硬い!?

突然ですが、あなたの体は硬いほうですか?  

それとも柔らかいほうですか?  

「体が硬くても問題ないんじゃない?」などという声も聞こえてきそうですが、実は体の硬さをほうっておくと意外な不調を招くことがあるらしいです。 

 

セルフチェックしてみよう 

「自分は体が硬いのかな?」と気になった人は、セルフチェックをしてみましょう。 

まっすぐに立って、膝を曲げずに両手を伸ばして前屈してみてください。 

このときに床に指先が付かない人は、体が硬くなっている証拠だといわれています。 

 また、「かかとを床につけたまましゃがめない」という人は足首からふくらはぎにかけての柔軟性が乏しいといわれています。 

 

なぜ体が硬くなるのか 

 でも体が硬い人と柔らかい人。その差はどこにあるのでしょう? 

 体が硬くなる大きな要因は運動不足にあるといわれています。 

筋肉は使われていないとどんどん硬くなり、それが関節の動く範囲(可動域)を狭める要因になります。 

 言い換えると運動習慣のない人ほど、関節を動かす範囲が狭まって体が硬くなるのです。 

 ほかにも加齢なども体が硬くなる要因に。 

また姿勢が悪い人やストレスが溜まっている人は筋肉が固まりやすく、動きが悪くなって体が硬くなってしまうことが多いそうです。 

 

体が硬いことで起こる意外なリスク 

体が硬いとそれに慣れてしまって、日常生活を送る上で特に不自由を感じることはないかもしれません。 

けれども、例えば膝関節が硬い人であれば膝に痛みが出て階段の昇り降りがきつくなったり、足首の関節が硬い人ではつまずいたり転倒しやすくなるために、予期せぬケガを招くこともあるそうです。 

また、近年ではさまざまな研究から、中高年層の場合は、体が硬い人は血管も硬いということがわかってきたそうです。 

血管の弾力性が失われて硬くなってしまった状態が「動脈硬化」。 

体が硬い人は血管も硬いために動脈硬化の傾向が強くなるという報告もあるので、注意が必要です。 

 

ストレッチをはじめよう! 

 筋肉を伸ばして体の柔軟性を高めるストレッチは、血管をしなやかにして血管の老化を防ぐ効果があるといわれています。 

 運動が苦手な人も、ストレッチなら取り入れやすいのではないでしょうか。 

 しかし、ここでも盲点が。 

ストレッチをするときに多くの人は、グッグッと反動をつけて行いがちですが、反動をつける動きは筋肉への負荷がかかりすぎるので好ましくないとされています。 

 ストレッチは、ゆっくり呼吸をしながらじわじわと筋肉を気持ちいい程度に20秒以上かけて伸ばすことがポイント。 

 また、大切なのは毎日継続することだといいます。 

おすすめは体が温まって血行がよくなっているお風呂上がりのストレッチ。 

 ストレッチには睡眠を高める効果もあるといわれていますから、毎日の習慣にできるといいですね。 

 

<参考> 

※「血管をやわらかくするストレッチ」(『栄養と料理』20242月号 女子栄養大学出版部) 

※『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版 中野ジェームズ修一著 

※『これで安心 更年期障害』(小学館 堀口雅子監修) 

※「ストレッチングの実際」(e-ヘルスネット 厚生労働省) 

※「ストレッチングの目的・効果・種類」(健康長寿ネット 長寿科学振興財団) 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。