
カフェインの過剰摂取が引き起こす健康リスク
コーヒーなどに含まれるカフェインの過剰摂取が問題になっているといいます。
摂取し過ぎると頭痛や心拍数の増加、不眠などを引き起こすといわれます。
どう付き合えばいいのでしょう?
カフェインの何がリスクなの?
仕事に疲れたときやひと息入れたいときなどに、よく飲まれる飲料といえばコーヒー。いい気分転換にもなります。
眠気覚ましにもなるし、集中力がアップするとか、疲労感が軽減されるといったことから、なかには1日に何杯も飲む人もいるようです。
その一方でカフェインの摂り過ぎによるリスクも指摘されています。
短時間の摂取で中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、興奮や不安、震え、不眠などが起こるほか、消化器官への刺激で下痢や吐き気、嘔吐などの健康リスクをもたらすことがあるといいます。
心臓も刺激して動悸や頻脈などが生じることもあるそうです。
カフェインは1日400mgまで?
カフェインの中毒症状が重度になると妄想や幻覚、錯乱、意識の低下などが見られ、最悪の場合、命に関わることもあるといわれます。
そのため食品からのカフェインの摂取はWHO(世界保健期間)をはじめ、国際的にも注意が必要と指摘されています。
日本ではカフェイン摂取の基準がないようですが、例えば米国食品医薬品局(FDA)など多くの国では、1日当たりのカフェイン摂取量を妊婦を除く健康な成人で400mg(コーヒーでは4~5杯程度)までとされているようです。
缶コーヒーは1日に何本まで?
カフェインはコーヒーから抽出された天然の成分につけられた名称だそうで、コーヒーの他に日本茶(緑茶)、紅茶、ウーロン茶、コーラなどにも含まれているといいます。
飲料水の多くは自動販売機で購入できるので、カフェインは、いつでも、誰でも摂取する可能性があります。なかでもよく飲まれているのは缶コーヒーかもしれません。
缶コーヒーに含まれるカフェインの量は商品の種類によって違いますが、100ml当たり50~70mg程度といわれます。
一般的な190ml前後の缶コーヒーで例えれば3本~4本でカフェインの1日の限度量になる計算です。
缶コーヒーに加えて緑茶やコーラなども飲んでいるときは注意が必要です。
ちなみに煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶などに含まれるカフェインは、100ml当たり20mg、紅茶には100ml当たり30mgほどだそうです(「日本食品標準成分表2020(八訂)」による)。
エナジードリンクにはカフェインが多い?
エナジードリンクは「飲むと元気になる」「眠気を覚まし頭スッキリ」ということがいわれ、特に若年層の間で人気のようです。
エナジードリンクにもコーヒーと同じ程度か、それ以上のカフェインが含まれているのもあるようです。
飲めば一時的に元気になった感じになるようですが、カフェインの作用が切れると前よりも集中力が低下したり、疲れた感じがするといわれます。
エナジードリンクは分類上、清涼飲料水にあたるために、特に意識しないまま他のカフェインを含む飲料も飲んでしまい、知らない間に多量のカフェインを1日に摂取するリスクも指摘されています。
特に子どもの飲用は避けたほうが良いといわれています。
カフェインにも依存症がある?
カフェインを長期間、毎日のように摂取し続けると、飲むのを中断したときに頭痛が起こることがあるといいます。
こうした頭痛はカフェインの禁断症状の可能性が考えられるそうです。頭痛を解消しようとしてカフェインを摂取することが習慣になると、さらにカフェインの摂取量が増加して、ますますカフェイン依存症のリスクが高まるといわれます。
カフェインの過剰摂取を避けるために、日ごろから自分が口にする飲料水やその他の飲食物のカフェイン量をチェックする習慣をつける必要があると専門家は注意を促しています。
<参考>
*「カフェインの過剰摂取について」(農林水産省)
*「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてのQ &A」(厚生労働省)
*「エナジードリンクとカフェイン」(公益社団法人千葉県医師会)
*「もしかしてカフェイン摂りすぎ?」(アリナミン製薬株式会社)
*「孫がカフェイン依存?」(東京新聞/2024.9.24)