
女性に多い便秘の悩み
便秘は多くの女性が悩むトラブル。
おなかが張ってスッキリしないだけでなく、肌荒れやニキビなどのトラブルも出てきます。
今回は便秘について考えてみました。
毎日出ていても便秘!?
便秘症とは医学的には「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出出来ない状態」と定義づけされているそうです。
ですから、排便が毎日あったとしても、すっきり出なかったり残便感があるなど、不快に感じていれば便秘だと考えられます。
逆に排便が2日に1回でもすっきり出て排便に満足していれば便秘症とはいわないようです。
女性はなぜ便秘になりやすいのか
一説には女性の2人に1人は便秘に悩んでいるといわれるほど、便秘は女性に多いトラブルです。
でも、どうして男性に比べて女性は便秘になりやすいのでしょうか?
理由の一つは女性ホルモンの影響だといわれています。
女性ホルモンの黄体ホルモンには大腸の蠕動(ぜんどう)作用を抑制する働きがあります。
そのため、黄体ホルモンの分泌量が増える生理前には便秘になりやすいそうです。
この時期はまた、肌トラブルも起こりやすく、イライラするなど心も体も不安定になりがちなので、女性にとっては憂うつな時期だといえます。
また、妊娠すると便秘になりやすいのも、妊娠中に分泌される黄体ホルモンの影響だといわれています。
女性ホルモンの影響以外にも、女性は男性よりも腹筋の筋力が弱いために便秘になりやすい傾向があるようです。
こんな人は便秘になりやすい
実は便秘には生活習慣が大きく関わっていることをご存知でしょうか?
便秘になりやすい人の生活習慣をみていきましょう。
(1)便意をがまんしてしまう
朝は化粧や身支度に時間をとられたり、家族のお世話でゆっくりトイレタイムをつくれずに、便意をがまんしてしまう人が少なくありません。
また自宅以外で便意を催した場合も、通勤中だったり、職場ではトイレに行くのを躊躇してしまうという声もよく聞きます。
けれども便意をがまんし続けていると、直腸の知覚が低下して、直腸に便があるにもかかわらず便意を催さなくなってしまうそうです。
その結果、便が大量に溜まって便が太く硬くなってスムーズに排便ができなくなってしまうそうです。
(2)ダイエットをしている
食事量を減らしていると食物繊維をはじめ便のもととなる材料などが不足します。
また、食べ物には水分が含まれているために、ダイエット中は水分不足にも注意が必要です。
食事量が少なく水分が不足しがちなことから、ダイエット中は便の量が減り便が硬くなって便秘を招くことが多いといわれています。
(3)水分不足になっている
便の硬さは水分量によっても左右されるそうです。
水分が不足していると、便が硬くなって移動しにくくなる上に、便が長時間腸内にとどまるために、過剰にガスが発生したり、便のニオイもきつくなるようです。
(4)ストレスをためやすい
排便を促す蠕動(ぜんどう)作用は、リラックスモードの副交感神経が優位のときに活発になります。
逆に、戦闘モードの交感神経が優位のときには蠕動作用は抑制されてしまうのです。
ストレスが多いと自律神経の交感神経が優位になるために、蠕動作用が抑えられて便秘になりがち。
またストレスにより腸内細菌のバランスも崩れて腸内環境も悪くなるといわれています。
(5)生活リズムが不規則
睡眠・食事が不規則で運動不足になっていませんか?
不規則な生活習慣を続けていると自律神経のバランスが乱れて、腸の働きも停滞気味になってきます。
(6)朝食を抜いている
食べ物が胃に入ることで大腸が動き始めて、便を直腸に送り出そうとしてその刺激で便意が生じます。
これを胃・結腸反射といいます。
この反射がいちばん強く起こるのが、胃が空っぽの状態で食べ物が胃に入ったとき。
つまり朝食後なのです。
朝、時間がなくて朝食抜きで会社に出かけると便秘になりやすくなるといわれています。
いかがでしたか?
上記の生活習慣にいくつも当てはまったという人もいるかもしれません。
便秘を解消するためには、まずは、生活習慣の見直しが必要です。
次回は、具体的な便秘対策について考えていきましょう。
<参考>
※『ウィメンズ・メディカ』(小学館)
※『きょうの健康』(2023年7月号 NHK出版)
※「徳島県医師会の健康相談 便秘」(徳島県医師会)
※「コーラック 気になる! 便秘のこと」(大正製薬株式会社)