プラスコラム
PLUS COLUMN

自分の健康に「関心」がありますか?

自分の体のこと、ふだんから気にかけていますか?  

自分の健康を維持、増進するために、みなさんはどんなことに注意しているのでしょう?  

国の調査から健康への関心度を探ってみました。 

 

9割が自分の健康に「関心がある」? 

 みなさんは自分の健康にどれだけ関心をもっていますか? 

 内閣府が令和元(2019)年に行った調査(18歳以上の男女5,000人対象)によると、男女ともに61.4%が「関心がある」との回答でした。「どちらかといえば」を含めると、なんと9割以上の人が自分の健康に関心をもっていました。 

 ただ、若い世代ほど自分の健康への関心が低く、60歳代以上の7割前後が「関心がある」と答えたのとは対照的に、1829歳が42.1%、30歳代が53.0%、40歳代で51.3%と同世代の半数止まりでした。 

さらに健康には自信がある世代ゆえでしょうか、「関心がない」(「どちらかといえば」含む)と答えた割合は、1829歳で10.9%、30歳代9.2%で、若年世代のほぼ10人に1人が健康に「無関心」なのでした。 

 

当たり前のことが健康への最良の道? 

 この調査の参加者は自分の健康の維持、健康増進のために日ごろからどんなことを心がけているのでしょう? 

 同調査によると、「栄養バランスのとれた食事」が50.1%、「健康診断の受診」が48.7%、それに「睡眠時間の確保」47.3%が上位3つ。次いで「食べ過ぎないようにする」44.2%、「規則正しい生活」43.0%、「定期的な運動」36.7%と続きます。 

どれも健康を考えるときの定番で目新しさに欠ける回答ですが、結局、健康を保つには、何か特別なことをするのではなく、当たり前のことを地道に続けることだというのが、こうした回答によくあらわれてます。 

他には「飲み過ぎない」(28.0%)、「禁煙」(25.3%)という、健康には必須といえる回答ももちろんありました。 

 

女性の健康に「関心がない」若年世代は2割 

 では女性は、そして男性は「女性の健康」にどれだけ関心があるのでしょうか。 

 同調査によると、女性ならではの健康課題(月経関連疾患、乳がん、更年期障害など)について「関心がある」「どちらかといえば関心がある」と回答した女性は90.4%、男性は62.5%。反対に「関心がない・どちらかといえば関心がない」は女性で5.7%、男性21.1%でした。 

 これも若い世代の「関心がある」割合は低く、1829歳で35.9%にとどまり、「関心がない(「どちらかといえば」含む)」が21.4%でした。 

30歳以降のどの世代も50%前後が「関心がある」と答え、「関心がない(「どちらかといえば」含む)」のは10%前後なのとは対照的です。 

 

女性ならではの健康課題に関心あり? 

 女性の健康課題に「関心がある」(「どちらかといえば」含む)人は、具体的にどんなことに「関心」があるのでしょう? 

 いちばん多いのは「乳がんや子宮頸がんなどのがん」で64.1%、以下、「更年期以降の症状」56.4%、「健康診断や検診の種類や実施機関」48.5%、「子宮や卵巣などの病気(がんを除く)」37.4%などでした。 

 他にも「職場での女性の健康に配慮した環境整備」や「女性の健康課題に悩む人へのサポート」なども約20%ありました。 

 一方、女性の健康課題で「知っていること」では、「更年期のイライラや不安感」が79.5%、「過度なダイエットが骨粗鬆症のリスクを高める可能性」が61.2%、また「妊娠前のやせすぎは低出生体重児のリスクを高める可能性」の33.7%などがあります。 

 自分の体の状態は自分にしか分からないもの。 

「健康には自信あります」と迷いなくいえる自分でいたいですね。 

 

<参考> 

*「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査(令和元年)」(内閣府) 

 

 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。

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