お酢系の飲料が歯を溶かす?
酸の強い飲み物が引き起こす酸蝕(さんしょく)という症状
ダイエットや中性脂肪の減少、血圧低下などの健康効果で人気のお酢系飲料ですが、一方で、歯に酸性の飲み物がたえず接触することによって歯が溶けて しまうということはあまり知られていません。健康のために飲んでいるはずのお酢系飲料が、飲み方によっては逆に歯の健康を害しているなんて笑うに笑えませ ん。あなたのその飲み方は大丈夫ですか?
飲み物で歯が溶けるって知ってました?
お酢には血液をサラサラにするとか、ダイエットによい、血管をやわらかくする、中性脂肪を減少させるといったことから、お酢系の飲料が大人気。毎日、欠かさず飲んでいる人も多いでしょう。
でも、そんな健康効果をうたうお酢系飲料ですが、専門家によると飲み方次第では、歯の健康を損なう危険があることも指摘されています。
お酢系飲料には黒酢やリンゴ酢、しそ酢など、さまざまありますが、これら酸性の飲み物によって歯が溶けるというのです。酸蝕症(さんしょくしょう)というもので、これは文字通り、酸によって(歯が)蝕まれてしまうというわけです。
むし歯はむし歯菌がだす酸によって歯が溶ける病気ですが、酸蝕症というのは、酸性の飲み物や食べ物が歯にふれることよって歯が溶けるものです。酸蝕 が起こると、冷たいものや熱いものを食べたときに歯がしみる知覚過敏がみられ、さらに歯の表面のエネメル質が溶けて、その下のやわらかい象牙質がむき出し になり、酸蝕が一気にすすんでいくといわれます。
「ながら飲み」「だらだら飲み」は要注意!
とくに注意したいのは「ながら飲み」といわれるもの。仕事をしながら、テレビを見ながら、車を運転しながら、ゲームやスマホをしながらなど、何かを しながらだらだらと酸性の強い飲み物を飲むのは、常に歯が酸にさらされるので歯が溶けやすくなるというのです。そんな飲み方に心当たりのある人、多いので はないでしょうか。
また、運動後に水分補給をするときは注意が必要です。口の中がカラカラに渇いていると、口の中を中性に保つ働きのある唾液が出にくくなります。そこへお酢系飲料を飲むと口の中が酸性の飲料水で満たされ、酸蝕がさらに促されるというわけです。
体の健康は大事ですが、歯の健康も劣らず重要です。お酢系飲料を飲むときはだらだらと飲まずに一気に飲むこと。飲むときは口の中いっぱいに含まず に、のどに流し込むように飲むのがコツだそうです。もちろん、飲み終わったら、口の中全体を水かお茶でブクブクとすすぐことも忘れてはいけません。
お酢系飲料以外にもワインやレモンサワーなどの柑橘系サワー類、レモンやグレープフルーツなどの果汁飲料はもちろん、こうしたフルーツ自体も要注意です。
では、どんな飲み物が歯の健康を損なうのでしょうか。じつは歯の健康と酸蝕は、口の中のpHと密接な関係があります。それについては次回以降にくわしく紹介します。