将来に備えて、お金と骨の蓄えは若いうちからコツコツと。
少子高齢化が進み、先行き不透明なこの時代。結婚してもしなくても、老後が不安なことに変わりはありません。老後の蓄えを今からどうするか、と考えている女性も多いことでしょう。
でもそれだは不十分です。幸せな老後を迎えるには健康も大きな要素。いくら潤沢にお金があっても、病気ばかりしていては人生を楽しめません。
まして、老後は寝たきりに・・などということにならないように、今から健康に気をつけることはとても大事なことです。中でも、女性にとってとくに重要なのが骨の蓄え。10代から貯めていた骨量は、40代からは減る一方になるからです。
長寿でも寝たきりや介護を受ける期間が10年以上も?
日本人の平均寿命はどんどん延びて、2013年の女性の平均寿命は86.6歳。ところが、健康で日常生活を送れる期間を示す女性の健康寿命は74.21歳――介護を受けたり寝たきりになる期間は12.4年もあるということになります。
その寝たきりの大きな原因となるのが骨粗しょう症だといわれています。骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなってしまう骨粗しょう症。ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなり、それがきっかけとなって歩行困難になったり寝たきりになったりします。ちなみに老年期に腰が「く」の字に曲がってしまうのも骨粗しょう症による圧迫骨折が原因。
骨の健康は老後のQOLを大きく左右するといっても過言ではないでしょう。
若いときから、骨量を確保して減らさない心がけを
骨量は、思春期に増えて20代にピークを迎えます。その後は40歳くらいまでは維持できますが、閉経を過ぎると骨量が急カーブを描いて減っていきます。骨の健康を守っていた女性ホルモンが、閉経と同時に急激に減少すると、それにともなって骨量も激減してしまうのです。
閉経後に骨量がどっと減っても、若いころの骨密度がそれなりにあれば持ちこたえられますが、若いころの骨密度がピークのときに平均より少ないと骨粗しょう症の危険が増大していきます。
老後のために貯蓄をしておくのと同じように、骨の健康も閉経後に備えて20代、30代のころから骨量を蓄えておいたほうがよさそうです。とくに、以下の項目にあてはまる人は、骨粗しょう症のリスクが高いといわれているので、気をつけて。
こんな人は要注意!
□ 家族に骨粗しょう症の人がいる。
□ 小柄でやせ型である。
□ 無理なダイエットをしたことがある。
□ タバコを吸っている。
□ お酒が大好き(1日にのむ量がビールに換算すると350ml缶3本以上)
□ 偏った食生活を送っている(インスタント食品やスナック菓子を多くとっている)。
□ 運動不足。
□ ステロイド剤を長期間服用した。
いかがですか?
骨粗しょう症は、自覚症状がないままま進んでいきます。リスクのある人は更年期前でも骨量測定をして骨の状態を確認しておくと安心です。同時に、運動不足や無理なダイエット、偏った食事など、改めるべきところはしっかりと見直して骨の健康を守りたいもの。また、とくにリスクファクターがない人も、今のうちから骨量をしっかり確保して、減らさない努力をしましょう。
*次回は「骨貯金ができる人、できない人」のお話です。