「骨」貯金ができる人、できない人
骨の健康は40代が曲がり角。骨の健康は女性ホルモンと密接な関係があるため、女性ホルモンが激減していく更年期以降からは、誰もが骨量がガクンと減っていく運命にあります。そのまま一気に骨粗しょう症へ突き進んでいくかどうかは、これまで貯めていた骨貯金の多さがものをいいます。
前回は、若いころからの骨貯金の必要性をお話ししました。でも、骨貯金できる人と、できない人の違いはどこにあるのでしょうか。
実は骨貯金ができない人に、こんな共通する特徴がありました
「骨」貯金ができない人に共通する7つの特徴
1.若いころから繰り返しダイエットを行ってきた
骨密度は思春期にグンと増えて、20代にピークを迎えます。骨を蓄える大事な時期にダイエットしていると、骨をつくるために必要な栄養素がとれず十分な骨量が蓄えられません。若いころから繰り返しダイエットを行ってきた人ほど、骨粗しょう症のリスクが高まるといわれています。最近は小学生でもダイエット志向が強く、熱心に食事制限をする子どもが増えて問題になっています。
2.無理なダイエットで急激にやせたことがある
女性ホルモンのエストロゲンは、骨の代謝にとても密接な関係があります。
過激なダイエットをすると、しばしば生理不順や無月経になったりします。そうなるとエストロゲンの分泌が急激に低下して、骨量も低下していきます。
女性ホルモンが正しく分泌されるには、ある程度の体脂肪も必要です。女性のマラソンランナーがよく疲労骨折を起こすのも、女性ホルモン分泌の低下と無関係ではない、と専門家は指摘します。
その寝たきりの大きな原因となるのが骨粗しょう症だといわれています。骨からカルシウムが溶け出して骨がもろくなってしまう骨粗しょう症。ちょっとした衝撃でも骨折しやすくなり、それがきっかけとなって歩行困難になったり寝たきりになったりします。ちなみに老年期に腰が「く」の字に曲がってしまうのも骨粗しょう症による圧迫骨折が原因。
骨の健康は老後のQOLを大きく左右するといっても過言ではないでしょう。
3.朝食抜きなど欠食がある・偏食が多い
骨に必要な栄養素の代表はカルシウムですが、どのほかにも、骨をつくるためにはビタミンD、C、Kやマグネシウム、亜鉛、鉄なども必要です。1日2食だったり、偏食が多いとあると、食事から十分に骨に必要な栄養素を摂れません。
4.スナック菓子、インスタント食品、コンビニ弁当などをよく食べる
栄養素のリンは、人間のからだになくてはならないものですが、摂りすぎるとカルシウムを外に排出してしまう働きがあるといいます。リンは加工食品やスナック菓子、清涼飲料水などにも多く含まれています。
5.コーヒーやアルコールが好き
コーヒーやアルコールの摂りすぎはカルシウムの吸収を悪くし、骨量の減少につながるといわれています。
6.タバコを吸っている
タバコはカルシウムの吸収を妨げ、女性ホルモンの分泌を妨げます。喫煙者は非喫煙者に比べて骨粗しょう症になりやすいことが多くの研究からあきらかになっています。
7.運動不足
骨量を増やすには、適度な運動習慣が不可欠です。デスクワークの人は運動不足になりやすいので、とくに注意が必要です。
いかがですか?いくつも当てはまったという人も多いかもしれません。
面倒だからとついおろそかにしてしまう食生活や何気なくやっている生活習慣やダイエット・・。でもこうした生活が知らず知らずのうちに骨量を減らしていきます。「貯金」と同様に「貯骨」するのに「もう遅い」ということはありません。
年を重ねたときに骨粗しょう症で苦しまないように、今日から今から「貯骨生活」を心がけませんか。