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朝、ふとんの中でグズグズするのが良い?シャキッと起きるのが体に悪い理由とは。

朝はシャキッと起きて、てきぱきと身支度をととのえ、さっそうと出勤!朝の目覚めといえば、そんな光景を思い浮かべる人も多いでしょう。 当然、「朝シャキッ」には健康的なイメージがたっぷりです。ところが逆に、朝、目覚めてもすぐにふとんから出ないで、グズグズとふとんの中で少し過ごして からゆっくり起きる「朝グズ」が体に良いという意見もあるようです。それはなぜでしょうか。
「朝グズ」のどこが体にやさしいのでしょうか?  

 

「早朝高血圧」の人は「朝グズ」がおすすめ?

あなたの朝のはじまりは、「シャキッ!」ですか。それとも「グズグズ」ですか? 
朝、起きるのは誰でもつらいものです。とくにまだ朝の気温が低い今の時期はなおさら。できればふとんの中でいつまでもグズグズと過ごしていたいですよね。
そんな「朝グズ」派に朗報ともいえるのが、「朝は目覚めてもすぐに起きずに、ふとんの中でしばらくグズグズと過ごすのが体に良い」というもの。「朝グズ」の何が良くて、「朝シャキッ」の何が良くないのでしょう。
 

と、その前に「モーニングサージ」という言葉を知っていますか? 
これは「早朝高血圧」ともいって、朝、起きてから1時間から1時間半くらいのあいだに血圧が急激に上昇することです。
血圧は1日の中で上がったり下がったりと変動が大きく、たとえば会社での会議や大事な商談など、ストレスや緊張を受けると血圧は簡単に上昇します。
一般的に血圧は夜寝ているときはリラックス状態になるので低下し、朝、起きると徐々に高くなっていきます。
 

モーニングサージ型の高血圧は、朝の血圧が急激に上昇するので、夜間の血圧との差が大きくなり、脳卒中や心筋梗塞を起こすなど、とても危険といわれ ています。とくにもともと高血圧をもっている人の場合、血圧の急激な上昇によって、血管や心臓に過度な負担をかけることがこうした病気を招く原因といわれ ています。
ふだんから高血圧が気になる人は、朝、目が覚めてもすぐにふとんから飛び出さないで、しばらくふとんの中でグズグズと過ごし、手足を伸 ばしたり曲げたり、深呼吸をしたり、顔や頭などをマッサージしたり、さらにはふとんをかぶったまま着替えをしたりして、体をならしてからゆっくり起きるの がいいとされています。
 

「朝グズ」の目安は5分

高血圧とは縁がない人の場合でも、朝、目が覚めるなり、ガバッ! と急にふとんから起きだすのは、やはり心臓や血管に負担をかけることになりかねま せん。やはり、しばらくは怠けものになってふとんの中でヌクヌクと過ごしてから起きだすほうが体にやさしいといえそうです。ただし、二度寝して会社に遅刻 なんてことにならないようにくれぐれもご注意。
 

ふとんの中でグズグズするのは5分程度に押さえるのがよいようです。
「朝グズ」は怠け者のすることと冷たくあしらわれることもあるでしょうが、5分程度の「朝グズ」は大目に見ていただきましょう。
 

プロフィール

医療ライター
中出 三重

株式会社エム・シー・プレス勤務(医療ライター・編集者)

*出版社勤務、フリー編集者を経て、企画・編集室/株式会社エム・シー・プレス勤務。

*女性を取り巻く医療と健康、妊娠・出産・育児の他、予防医学、治療医学などを中心に、多くの単行本を企画・編集・執筆。

*楽しく食べること、おいしく飲むことをこよなく愛する。休日の楽しみは公園ごはんと街歩き。