
爪半月の大小で健康・不健康が分かる?
爪の根元に三ケ月のような形をした白い部分があります。この部分を爪半月(そうはんげつ)と呼ぶのですが、昔からこの爪半月が「大きいと健 康」とか、「小さかったり、なかったりすると不健康」といわれていて、いまでもそれを信じている人も数多くいるようです。あなたの爪の爪半月は大きい?そ れとも小さい?……でも、爪を見ただけで健康かそうでないか、本当に分かるのでしょうか?
「爪半月は健康のバロメーター」は本当か?
それとも単なる俗説か?
爪にマニキュアを施したり、爪を短く切ったりなど、爪を毎日見ているにもかかわらず、爪のことって意外に知られてい ません。なかには爪を骨の一部と思い違いしている人もいるようです。じつは爪は皮膚の一部で、死んだ皮膚の細胞が集まった角質層が変化したもの。爪を切っ ても痛くないのはそのためです。
「*親の小言とナスビの花は千にひとつのムダもない」ということわざがありますが、爪もその通りで、爪がないと指先に力が入らず、ものをつまめない し、指先を使う細かい作業が困難になります。缶コーヒーや缶ビールのリング状のタブも、パッカン式の缶詰のふたも開けられません。そして、何よりも爪がな いと、かゆいところがかけなくなり、かなり困った状況に追い込まれます。
爪は爪の根元にある爪母と呼ばれるところでつくられ毎日0.1ミリほど伸びるといわれます。爪半月が白いのは爪ができたばかりで、水分も多く硬くなっていないために白く見えるのだそうです。爪の他の部分よりもやわらかいので、押すと軽い痛みを感じることがあります。
この爪半月は、昔から健康をはかるバロメーターといわれ、爪半月が大きいと健康で、小さいと不健康などといわれています。それを信じて、ときどき爪半月をチェックして自分の健康を判断している人も多いと思います。実際はどうなのでしょうか。
爪半月の大きさで健康は判断できません。
生まれつきの体質が関係しているといわれています
残念ながら、爪半月の大きさと健康には、とくに関係はないらしいです。
爪半月の大きさは、生まれつきのものだそうで、爪の成長が早い人ほど爪半月が大きくてはっきりとあらわれ、成長の遅い人は小さいということです。
子どものときは、どの指にも爪半月がはっきりでていたのが、成長するにつれて小さくなったり、見えなくなってしまったりすることから、爪半月と健康との因果関係が広くいわれるようになったのかもしれません。
爪半月が小さくて、ちょっと体のことが心配と思っていた人には、ひと安心かもしれません。ちなみに、指先を使う職業の人ほど爪半月が大きい傾向があるらしいといわれています。
ただ、過度なダイエットなどで栄養失調になると爪の伸びが悪くなって、爪半月が見えなくなることもあるそうですから、心配な人は1度、お医者さんの診断を受けるのがよいでしょう。
爪半月の大きさが健康状態とあまり関係ないことはわかりましたが、本当に爪は健康のバロメーターとはいえないのでしょうか。
じつは爪の色や形を見れば、自分の健康状態をある程度判断できるといわれています。
指先を見ると、爪がピンク色に見えます。実際は爪には色がなく、爪がピンクに見えるのは爪の下を流れる血管が透けて見えるからです。
体に何らかの不調があったときは、爪の色や形にさまざまな変化があらわれるといいます。爪が白っぽい、黄色い、斑点があるとか、スプーンのように反っている、盛り上がっているなど、色や形が変わったときは要注意です。不調のサインかもしれないからです。
また、爪にあらわれる縦じわ、横じわも気になるところ。健康とどう関係しているのでしょう。そんな爪の変化と健康については次の機会にご紹介します。
*「ナスは花が咲くとみんな実を付ける。親の小言も子どものことを思っていうもので、後々、必ず役に立つものである。ナスの花同様、親の意見はムダがないのでよく聞くべきだ」といった意味。ムダ=徒(あだ)と書くことも。
<参考資料>
永岡書店『からだのしくみ図解事典』、成美堂出版『からだのしくみ事典』、万来舎『農家の健康便利帳』、日本実業出版社『全図解 からだのしくみ事典』
<参考URL>
・「爪で病気まるわかり」
http://tsu.eulbblue.com/001/post_2.html