「やる気」は後からついてくる
メダルラッシュに沸いたリオ五輪も幕を閉じて、オリンピックが終わった喪失感「五輪ロス」になっている人も多いのではないでしょうか。
夏休みも終わって、あとは仕事にまい進するのみ――なんですが、ちっともやる気が出てこないということはありませんか? まして、納期までに少し余裕があったりすると「やる気スイッチが入ったときに、バリバリやろう」と考えがち。
でも、考えるだけでは、いつまでたっても「やる気スイッチ」がONにならないことをご存知ですか。
やる気がなくても、実際にはじめてみる
実は「やる気スイッチ」は「やる気が出たときに入る」のではなく、「まず行動してみる」ことでONになるといいます。
そういえば、部屋の片づけは面倒だけれど、とりあえずデスク周りだけでも片付けてみよう、と手を動かしているうちにのめりこんで、ついには部屋の模様替えまでしてしまったなどということはありませんか?
めんどうだと思っているものも、無理にでもやっているうちにやる気が出てくる――これは「作業興奮」といわれるもので、心理学者のクレペリンが発見した現象だといわれています。
この「やる気」をつくっているのが、脳の中心近くにある「側坐核(そくざかく)」といわれる領域。側坐核が働きはじめると、やる気ホルモン「ドーパミン」が放出され、その働きによって脳が興奮し、さらにやる気が出てくるというわけです。
やっかいなことに、この側坐核は刺激が来ないと十分な活動を起こしてくれません。つまり、頭でばかり考えていて実際に行動しないと、側坐核に刺激が行かず、なかなかやる気が出ないということです。
元気カラーの洋服でダレた気持ちをたて直す
やる気が出なくて気持ちばかりが焦ってしまう感覚は、小学生のとき、あと少しで夏休みが終わるのに、宿題がめちゃくちゃたまっているときのあの感覚と同じかもしれません。
やる気スイッチをONにするには、考えていてはダメ。行動あるのみなのです。
ただし、最初にハードルをあげすぎると「やっぱりだめ」とめげてしまうことも多いので、「まずは、これだけやってみる」と最初は小さな目標を立てたほうがよさそうです。
また、たとえば「どうも最近気持ちがダレている」と思うときは、オレンジや赤系のやる気や元気を出す服を身につけるのもひとつの方法かもしれません。よく女性議員が「ここぞというときは、赤い勝負服を着る」などといったりしますが、視覚が心理作用に大きく影響するのはたしかなようです。
元気カラーの服を着て、まず目の前の小さな作業からはじめてみる――脳を騙して、やる気をだしましょう!
<参考文献>
『脳はなにかと言い訳する』(新潮文庫:池谷裕二)