
ウンチをすぐに流してはいけない理由とは?
「ウンチは健康のバロメーター」とよくいわれます。ウンチにはその人の生活情報がたっぷり詰まっています。そんな貴重な体内情報源のウンチ・・ですが、も、もしかして一顧だにせず、ジャッジャーッと流してしまっている? でも、以下の記事を読めば、あなたは今日からウンチがいとおしくなること間違いありません・・(かな?)
ウンチは残りカスではない!ウンチに込められたメッセージとは?
あなたは自分のウンチのこと、どれだけ知っていますか? 毎日のように付き合っている親しい間柄にもかかわらず、まるで汚いものでも見るように冷たく扱っていませんか? ウンチが出るやいなやジャーッと流してしまったり・・とか?
「だってくさいし〜・・。それに汚いじゃないですか~」
ちょっと待ってください。そのウンチ、誰のものでもなく自分の体からでてきたものです。そんなにあしざまにいわなくてもよいかと思うのですけど・・。それにウンチには体の様子を教えてくれる情報が詰まっているのです。
「ウンチは体内情報の定期便」「ウンチを見ればその人の健康状態が分かる」などともいわれています。当たり前のことですが「人間は食べたものでできて」います。食べたものは消化・吸収された後、残りが腸内のいろいろなものと混じってウンチとなり肛門から排泄されます。その際、体の中のさまざまな情報を持ってきてくれます。
かつてウンチは「食べ物のカス」「単なる排泄物」と考えられていました。でも最近ではウンチの8割は腸内細菌の死骸であるといわれています。腸内細菌のバランスの良し悪しがウンチの状態にあらわれるというのです。
あなたのウンチはどんな形、色、量、においをしていますか?
ウサギの糞のようなコロコロウンチ? それともフランクフルトソーセージのように太くて長いいわゆる「一本糞」? 色は黄色とか茶色系統? それとも黒っぽい? どんなにおいがしますか?
ウンチは食べたものや老廃物が消化管を通過する間に集めた体の記録ともいえます。毎日、鏡で顔色を見るようにウンチもしっかり観察してほしいと思います。
ウンチにも「いいウンチ」と「悪いウンチ」がある?
では理想的なウンチとはどのようなものをいうのでしょう。
(1)排便時は抵抗なくスルリとでてくる感じ、(2)色は黄色から茶色系統、(3)硬くなくやわらかすぎず、表面はなめらか、(4)形はバナナかフランクフルトソーセージのような形状かとぐろを巻いたような形状、(5)においはほとんどない、(6)プカプカと水に浮く、(7)毎日1〜3回無理なく出る……といったウンチが理想的だそうです。
これらのすべてに当てはまるウンチを毎日している人は少ないかもしれません。食事とウンチの色やにおいは密接な関係があるからです。
たとえば焼き肉をたらふく食べたあとではウンチのにおいが強かったり、色が黒っぽかったりしがちです。また、ホウレンソウや春菊などを食べると緑や黒っぽいウンチが出がちだし、トマトや人参などでは赤いウンチが出ます。ただ、食べ物に思い当たる理由がないのに黒っぽいウンチや赤いウンチが出たらなんらかの内臓のトラブルが考えられます。受診が必要です。
またウサギの糞のようなコロコロした硬いウンチや、逆に水分の多いウンチは便秘や下痢など、腸内環境の悪化が原因といわれます。大腸内には腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれる細菌が約100兆個もすみついているといわれます。ウンチの状態もこの細菌叢と関係しているようです。肉食が続くとウンチのにおいが強くなるのは細菌叢の悪玉菌が増えるからだといわれています。
理想的なウンチをめざすなら善玉菌をふやすことだそうで、そのためには乳酸菌類や食物繊維の摂取が欠かせないそうです。
ちなみに食べたものがウンチとして排泄されるまで16〜24時間かかるといわれます。もちろん個人差はありますが、今日の朝、排泄されたものは昨日の朝やお昼に食べたものということになります。1日のウンチの平均的な量は、150〜200グラムだそうです。かつては繊維質を多く摂っていたので400グラムもあったといわれます。食事の欧米化によって繊維質の摂取が減り、肉食が増えたことが便量減少の原因といわれます。
<参考資料>
*「全図解からだのしくみ事典」(日本実業出版社:安藤幸夫監修)
*「子どもの体 安全 健康」(フレーベル館:山田 真・山中龍宏・池亀卯女・監修)
<参考URL>
*「『カルピス』由来健康情報室」(アサヒカルピスウェルネス(株))
http://calpis-kenko.jp/chounai/index.html
*「便の形からの考察」((株)光英科学研究所)
http://www.koei-science.com/category/1529502.html
*「快適セルフメディケーションクリニック」(認定NPO法人セルフメディケーション推進協議会)
http://www.self-medication.ne.jp/kaiteki/2007/07/7.php