
一目惚れの不思議
ドキッ!! 出会ったその瞬間、恋に落ちてしまった・・。そんな経験はありませんか? 今回は「一目惚れ」にスポットをあててみました。
「たちまちに恋に陥る」は本当だった
「一目惚れ」は、女性なら誰でも憧れる恋愛のキーワードかもしれませんね。一目見たときに「運命の人かも」と心がビビッと動くこの感情は、脳の奥のほうにある扁桃体という部分から生まれているそうです。扁桃体というのは、脳の大脳辺縁系の一部で、好き嫌い、快・不快といった情動をつかさどる部分。一目惚れは、この脳の扁桃体が直感的に好きと感じているのです。つまり理屈ではないということ。
心にビビッと来たのは「優しそうな眼をしているから」「笑顔が素敵だったから」などと考えますが、脳科学者の茂木健一郎氏は著書の『脳は0.1秒で恋をする』の中で、「最初の直感だけでは心もとないために、脳の大脳皮質があとから理屈付けをしている」と述べています。脳科学でも一目惚れがあることが実証されていて、恋に落ちる瞬間は1秒もかからないということが分かっているそうです。
まさに稲妻に打たれたように恋してしまうのですね。
直感的に選ぶ異性は、自分の遺伝子情報から遠い人を本能的に選ぶという説があります。これは、違う遺伝子をもつものと交配してより広い免疫パターンを獲得した子どもをもつことが子孫繁栄につながるからだといわれています。遺伝子レベルでひかれあうなんて、まさに運命的な出会いといえますね。
一目惚れカップルは意外とうまくいく
さて、その一目惚れで愛を告白。相手も自分を好きになってくれたりしたら悪い気はしません。付き合ううちに一目ぼれしてくれた相手に好意が高まって、恋愛→結婚までいきつくケースも多いそうです。
一目惚れカップルは、直感で結婚してはたして大丈夫? と思われがちですが、実は思いのほかうまくいっているカップルが多いようです。
一目惚れからはじまったカップル1500人を対象に、アメリカで行った調査では、一目惚れから長期恋愛に至ったカップルが70%、結婚に至ったカップルも55%と半数以上いたそうです。そして離婚率の高いアメリカにあって、一目惚れカップルの離婚率も低いそうなのです。
Apple創業者・故スティーブ・ジョブズ氏が「自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい」という名言を残していますが、これは恋愛においてもあてはまるようですね。
<参考文献>
*『脳は0.1秒で恋をする』(PHP社:茂木健一郎)