意外に塩分が多い「隠れ塩分」食品とは?
「やっぱり塩分のとり過ぎはよくない」ということで、「減塩」を心がけてみたものの、実際には塩分の摂取が増えていた! なんてことがあるようです。じつは、日ごろ口にする食べ物のなかにも、予想外に塩分が含まれている食品があります。そんな「隠れ塩分」食品とは? そして、減塩のつもりが「減塩になっていない」食生活とは、どんなものなのでしょう・・?
見過ごしてしまう「隠れ塩分」とは・・?
「分かっちゃいるけどやめられない」・・そういうことありますよね。とくに「食べる」ことにおいては、日々、逡巡と悔恨のくり返し。
たとえば体に悪いだろうなあと思いながら、食べたい欲望に根負けし、あれこれ悩んだ末に「まあいいか!」とガッツリいってしまい、完食したあとの食器を前におそわれるはげしい自己嫌悪……。多かれ少なかれ健康の呪縛から逃れることはなかなかできないのが人間の悲しいところ。「カロリーは? 脂肪は? 糖分は?」という具合に、ついいろいろ気になってしまいます。
・・というわけで今回は塩分のことを考えてみました。
塩分の多そうな食べ物といえば何を連想しますか? ラーメン、カレーライス、カツ丼、味噌汁、漬け物、塩辛、明太子など、思いつくだけでもいろいろあります。この他にも塩分が多い食べ物はいろいろありますが、ふだんあまり意識しないものにも意外に塩分が含まれているということがあります。
たとえばパン。毎朝の食卓の定番といえるパンですが、食パン100グラムには1.3グラムの塩分が含まれています。1枚(6枚切り)当たり約0.8グラムで、2枚食べるとほぼ塩じゃけ1切れ分(約100グラム)に相当します。フランスパンは食パンよりも塩分が少し多めです。あまり意識しませんがパンには意外に塩分が含まれているのです。
さらに「トーストにはハムエッグ」という人もいるでしょう。でもハムやベーコン、ウィンナーといった肉の加工品にも塩分が多く使われています。
また、ご飯のおかずいえば漬け物や佃煮、めざしやたらこといった塩分が多めの加工食品がよく合います。ただ同じ「和」の食材でも、かまぼこやちくわ、さつま揚げ、はんぺん、魚肉ソーセージといった魚の練り製品に塩分が多いことは、あまり知られていないかもしれません。おでんが恋しくなるこの季節、出汁がしみ込んでさらにおいしさもアップとはいえ、練り物だけの固食は注意したいですね。
「うす塩味」って本当に塩分が少ない?
しょう油はミソと並んで塩分の多い調味料の1つですが誤解もあるようです。塩分控えめにしようと薄口しょうゆを選ぶ人が多いようなのです。じつは薄口しょう油のほうが濃い口しょう油より塩分が多いのです。塩分が気になるときは減塩しょう油を選んだほうがよさそうです。もちろん使い過ぎれば塩分過多になってしまいますけども・・。
スナック菓子の中にも「隠れ塩分」のものがけっこうあります。
たとえば「ポテトチップス」。袋に「うす塩味」とか「あっさり塩味」などと書かれていると、いかにも「塩分が少ない」ように思ってしまいますが、必ずしもそうとは限らないようです。
というのも「うす塩味」というネーミングは「ガーリック味」とか「青のり味」ということと同じで、単に「味」を表記したに過ぎないからです。いかにも買う側に誤解を与えそうな書き方ですが、とくに違法ではありません。
もし「塩分を減らそう」ということから「うす塩味」のポテトチップスを選んでいるとしたら、減塩への過剰な期待はしないほうがよさそうです。
減塩しているつもりが減塩になっていないことって意外にありがちです。
「低塩」とか「塩分カット」「塩分ひかえめ」などと書かれた商品がいろいろ売られていてどれを選ぶか迷ってしまいます。食品の塩分を知りたいときは、パッケージに書かれてある「栄養成分表」を見れば一目瞭然です。そこに「食塩相当量」の数字があって、その食品に塩分がどのくらい含まれているかが分かります。
*本文に出てきた食品の食塩相当量(いずれも100グラム当たり:日本食品標準成分表2015年版(7訂)より)
フランスパン:1.6グラム/塩じゃけ:1.8グラム/ハム:2.5グラム/ベーコン:2.0グラム/ウィンナー:1.9グラム/めざし:2.8グラム/たらこ:5.3グラム/かまぼこ:2.5グラム/ちくわ:2.1グラム/さつま揚げ:1.9グラム/はんぺん:1.5グラム/つみれ:1.4グラム/濃い口しょう油:14.5グラム/薄口しょうゆ:16.0グラム/ポテトチップス:1.0グラム
<参考資料>
*日本食品標準成分表2015年版(七訂)(文部科学省)