その「老け顔」の原因は骨のもろさにある?
骨が弱くなって骨折しやすくなるという骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。年寄りの病気とばかり思っていますが、じつは若い人にも増えつつあるとか・・。背が縮む、背中が丸くなる、寝たきりになるといったこと以外にも、顔の老化にもかかわっているらしいのです。でもなぜ骨が弱くなると「老け顔」になるのでしょう?
骨がもろくなることであらわれる顔の変化とは?
骨粗鬆症は、骨の中に空洞が増えて鬆(す)が入ったようになる病気で、カルシウムの不足によって起こるといわれています。じつは骨には人間の体のなんと99パーセントのカルシウムが蓄えられていて、体のカルシウムが不足すると骨から補給されるのだそうです。過度なダイエットで栄養不足が続くと骨がもろくなるといわれるのはそういう理由からだったんですね。
とくに若い時期に極端なダイエットをして栄養不足におちいると、骨が十分に蓄えられませんから、将来、骨の貯金が底をつき早い時期から骨粗鬆症のリスクを負うことになってしまいます。
日本では骨粗鬆症の人は推定で1,200万人もいるそうです。人口の1割に当ります。さらに骨粗鬆症は年寄りの病気というのは昔の話。いまでは30代の女性の30人に1人、40代では10人に1人が骨粗鬆症の予備軍ともいわれているらしいです。
では骨粗鬆症によって骨がもろく弱くなるとどうなるのか。
よくいわれるのが、背が縮む、背骨がつぶれて背中が曲がる、骨折しやすくなるといったことです。なかにはくしゃみしただけで骨折するといったこともあるといいます。
これ以外にもさらに顔周辺に見た目の大きな変化があらわれるらしいのです。
なんとそれは、顔のシワとたるみ、さらに目のくぼみ! だそうです。
毎朝、毎夜、一生懸命、寝る間も惜しんで入念に顔の手入れをしてきたというのに、そんなことがあってよかろうはずがありませんよね?
「老け顔」の原因は骨がもろくなったから?
当然のことですが、骨が弱くなることで影響を受けるのは手や足の骨、背骨だけではありません。頭蓋骨も例外ではなかったのです。
なんと頭蓋骨の骨量が減ると、頭蓋骨が縮んで頭皮がゆるんでしまうのだそうです。そのために顔のシワが増え、皮膚がたるんだ状態になるといいます。
また、頭蓋骨とつながっている眼窩(がんか)という眼球が入っているくぼみも広がって、目が落ちくぼんだり、目の下がたるんだりといったことが見られるらしいのです。
いわゆる「老け顔」ということですね。
高齢と呼ぶには「まだまだ」という年齢にもかかわらず、骨の衰えが顔の衰えに結びつき、「老け顔」になってしまうというのは、想定外の驚きです。でも骨は全身に及んでいますから、骨の弱さの影響がどこにでてもおかしくはないのですけれども・・。
エステに化粧品、サプリメント・・惜しむことなく自分に投資してきたのに骨に「老け」の原因があるとは・・そんな嘆きが聞こえてくるようです。
でも骨づくりに終わりはありません。骨は、負荷がかかると骨をつくる細胞が活発になるらしいです。つまり骨に力をかけると骨の成長を促すということになるわけです。ふだんから歩いたり走ったり、ジャンプしたりなど、どんな運動でもいいので、とにかく体を動かすことが大事みたいです。日光に当たるのも骨の成長にはいいらしいので、外出する機会をいっぱいもちましょう。もちろんダイエットはひかえめに。
<参考図書・資料>
*「全図解 からだのしくみ事典」(日本実業出版社)
*「からだのしくみ図解事典」(永岡書店)
<参考URL>
*「骨が弱いと老け顔に」(日経電子版)
http://style.nikkei.com/woman